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『氷の城壁』は完結済み?最終回・最終話の結末とラストを解説

春の光が差し込む校舎で穏やかに並ぶ小雪と湊、美姫と陽太 あらすじ・考察

『氷の城壁』の原作漫画は全117話・全14巻で完結済みです。最終話「解氷」では、小雪と湊、美姫と陽太の恋の行方だけでなく、小雪が長く自分を守ってきた「心の壁」とどう向き合うのかまで描かれます。

一方、TVアニメは2026年9月18日現在、原作の結末には到達していません。第1期は第14話「爆弾」まで放送され、第2期は2026年10月1日からTBS系28局で放送予定です。

『氷の城壁』は完結済み?原作最終回までの基本情報

結論から申し上げると、阿賀沢紅茶先生による『氷の城壁』は、原作漫画についてはすでに完結しています。

集英社から刊行されたコミックスは全14巻。最終14巻は2025年2月4日に発売され、第112話「夜のしじま」から第117話「解氷」までを収録しています。集英社も第14巻について、物語の完結巻であることを明示しています。

少年ジャンプ+でも第117話は「解氷」の題で公開され、作品自体が「完結済み」と表示されています。

まず、結末を知りたい方へ重要な点を整理すると、次の通りです。

  • 原作漫画は全117話・全14巻で完結
  • 最終話は第117話「解氷」
  • 氷川小雪と雨宮湊は恋人同士になる
  • 安曇美姫と日野陽太も最終的に交際する
  • 第14巻には二組それぞれの「付き合った後」を扱うおまけがある
  • 物語の終着点は恋愛成就だけではなく、小雪の人間関係そのものの変化に置かれている
  • TVアニメは原作最終話まで進んでいない
  • アニメ第2期は2026年10月1日から放送予定

とりわけ検索で混乱しやすいのが、美姫と陽太の関係でしょう。

二人は曖昧な友人関係のまま終わるのではありません。最終14巻の目次には、本編完結後のおまけとして「付き合った後の2人」を扱う陽太と美姫のエピソードが収録されており、交際成立後の二人まで描かれています。小雪と湊についても同様のおまけがあります。

つまり『氷の城壁』は、「誰と誰が結ばれたのか」を読者の解釈だけに委ねるタイプの最終回ではありません。

小雪と湊、美姫と陽太という二組の関係がそれぞれ新しい段階へ進んだうえで、四人の日常はその先も続いていく。そこまでを見届けられる作品です。

そして、ここからが『氷の城壁』らしいところです。

恋愛漫画であれば「好きな人と付き合えた」が最大のゴールになっても不思議ではありません。しかし本作が最後まで見つめているのは、誰と付き合ったか以上に、人との距離を怖れていた小雪が、自分から関係を結び直せるようになったかという問題なのです。


『氷の城壁』最終話「解氷」の結末は?何が描かれるのか

原作の最終話は、第117話「解氷」です。

第14巻の構成を見ると、第115話「繋ぐ」、第116話「次の季節へ」、そして最終話「解氷」という題が並びます。題名だけを追っても、「誰かとの関係をつなぎ、その先の季節へ進み、最後に氷が解ける」という流れが感じ取れる構成です。

最終巻ではまず、小雪と湊が恋人になった後の関係が掘り下げられます。

小雪は自宅で湊と誕生日を過ごします。夜になり、湊が帰ろうとしたとき、小雪は一人になることへの寂しさを感じ、彼を引き留めます。

この出来事は集英社による第14巻の紹介にも明記されており、小雪がそれまで胸の内に抱えていた思いを湊へ伝える場面が、完結巻の重要な出来事として位置付けられています。

一見すると、恋人同士の距離がさらに縮まる場面です。

しかし、私はここを単なる恋愛描写として読むだけでは、『氷の城壁』の核心を半分ほど取りこぼしてしまうように感じます。

物語初期の小雪は、自分の感情を他人に見せることそのものへ強い警戒心を持っていました。

「寂しい」と伝えることは、相手に自分の弱い部分を預けることでもあります。

さらに言えば、「そばにいてほしい」と口にすれば、相手から望んだ答えが返ってこない可能性も生まれます。

序盤の小雪が避けていたのは、まさにその危険でした。

他人と距離を取っていれば、拒絶されることも、誤解されることも、期待を裏切られることも減らせます。

ところが終盤の小雪は、傷つかないことを最優先にするのではなく、大切な相手とつながるために自分の気持ちを差し出すことを選びます。

ここに、最終話へ至る最大の変化があります。

また、物語の終盤では恋愛だけではなく、家族を含む小雪の周囲の関係にも変化が表れます。

これまで距離を置いてきた相手へ、自分から向き合おうとする姿が描かれることで、「恋人ができたので心を開けました」という単純な結論にはなっていません。

湊だけが特別な鍵を持っていて、小雪の心を開けたのでもありません。

美姫との長い友情、陽太との交流、中学時代から続いてきた人間関係、家庭で抱えてきた感情、そして湊との恋愛。

それらが重なり合った結果として、小雪は以前とは違う選択をできるようになります。

したがって、最終話「解氷」で区切りを迎えるのは恋の行方だけではありません。

人に近づけば傷つくかもしれないと考えていた少女が、それでも誰かと関係を築くことを自分自身で選べるようになる。

私はそこにこそ、この最終話の本質があると考えています。


小雪と湊の結末は?恋人になった二人の変化を整理

氷川小雪と雨宮湊は恋人同士になり、その関係を続けた状態で物語の終盤を迎えます。

「最終回で別れてしまうのではないか」「結局付き合わないのではないか」と心配している方にとっては、ここは明確にしておきたい部分です。

最終14巻には、本編終了後のおまけとして小雪と湊の「付き合った後」を扱うページも収録されています。

ただし、二人が恋人になるまでの道筋は決して単純ではありません。

小雪は、自分が湊へ抱く気持ちを認めること自体に時間がかかります。

一方、湊は一見すると人付き合いが得意です。

誰にでも自然に話しかけられ、他人との距離を縮めることにも慣れているように見えます。

ここで私は、小雪と湊が「正反対だから引かれ合った」とだけ捉えるのは少し惜しいと思っています。

表面的には二人は対照的です。

小雪は無口で、他人から離れる。

湊はよく話し、自分から近づいていく。

しかし、その奥にあるものを見ていくと、むしろよく似ています。

小雪は、人を遠ざけることで自分を守る。

湊は、相手に合わせることで自分を守ろうとする。

方法は正反対でも、「相手に本当の自分を見せた結果、関係が壊れることへの怖れ」という点では重なっています。

この対称性が分かると、小雪と湊が結ばれる意味が少し違って見えてきます。

これは「社交的な男子が孤独な女子を救う物語」ではありません。

小雪が一方的に湊によって変えられるのでもなければ、湊だけが最初から人間関係の正解を知っているわけでもない。

互いに異なる形の防御壁を持つ二人が、相手の前では少しずつ本音を出せるようになる物語なのです。

※画像はAIによるイメージ

だからこそ、完結巻で小雪が湊を引き留める場面は大きな意味を持ちます。

以前の小雪であれば、「寂しい」と感じたとしても、その感情を自分の中だけで処理しようとしたでしょう。

相手に迷惑をかけたくない。

困らせたくない。

期待して傷つきたくない。

そうした理由を重ねて、言わずに終わらせることもできたはずです。

それでも彼女は伝えます。

この行為そのものが、小雪にとっては告白以上に大きな一歩とも読めます。

恋人になることは関係につく名前です。

しかし、恋人になった後も、本心を隠したままなら心の距離は残ります。

『氷の城壁』は交際成立をゴールにせず、付き合った後にどれだけ相手へ自分を見せられるのかまで描いたことで、小雪と湊の物語をより立体的なものにしました。

私は校正の仕事で文章を読むとき、「何が書かれているか」と同じくらい、「以前なら書かれなかった言葉が、なぜここで出てきたのか」を意識します。

小雪の変化もそれに似ています。

彼女の成長を示しているのは、別人のように饒舌になることではありません。

これまで飲み込んでいた一言を、必要な場面で相手に渡せるようになったことなのです。


美姫と陽太の結末は?二人も最終的に付き合う

安曇美姫と日野陽太も、最終的に恋人同士になります。

この点は、最終巻の収録内容からも確認できます。

第14巻には本編完結後、読者リクエストに応える形で、陽太と美姫の「付き合った後」を扱うおまけが収録されています。したがって、「最後まで親友のままなのか」「交際したかどうかは曖昧なのか」という疑問については、交際成立後まで描かれると整理できます。

美姫と陽太の関係で重要なのは、最初から同じ温度で恋愛感情を抱いていた二人ではないことです。

陽太は美姫を好きになります。

けれども、美姫との関係はすでに大切なものとして出来上がっています。

告白すれば恋人になれる可能性が生まれる一方、今まで通りではいられなくなるかもしれません。

陽太にとって「好きだから伝えたい」と「大切だから壊したくない」は、同時に存在する感情でした。

一方の美姫も、陽太を大切に思っていないわけではありません。

ただし、「大切」と「恋愛として好き」は同じ言葉ではありません。

陽太から思いを向けられたことで、美姫はそれまで自明だった二人の距離を、別の角度から考え直すことになります。

ここが私は非常に丁寧だと感じます。

長い付き合いの相手ほど、関係を一から名前付けする必要がありません。

安心できる。

話しやすい。

困ったときに頼れる。

それだけ近いからこそ、そこにある感情を「恋愛」として認識するまで時間がかかる場合もあります。

美姫と陽太の物語では、その時間が省略されません。

陽太が告白すれば即座に両思いになる、という展開ではない。

美姫自身が「陽太は自分にとってどのような人なのか」を考える過程を通ることで、最終的な交際に意味が生まれます。

また、アニメ第1期の終盤はまさに、この関係が大きく動き始めるところです。

第14話「爆弾」では、陽太が小雪へ、美姫に告白する決意を伝えます。一方の美姫も、陽太が自分を好きなのではないかと意識し始めています。

原作を最後まで知っている立場から振り返ると、この段階は「恋が成立する直前」というより、二人がそれまで当たり前だった関係を見直し始める入口と考えたほうが、作品の味わいに近いでしょう。

小雪と湊の関係が、「本心を見せることへの怖れ」を越えていく恋だとするなら、美姫と陽太は、すでに大切な相手との関係をどう更新するのかを問う恋だと私は考えます。

友達から恋人になったからといって、それまでの友情が消えるわけではありません。

関係の名前は変わっても、それ以前に積み上げた時間を抱えたまま、二人は次の形へ進む。

この描き分けがあることで、『氷の城壁』は単なる二組のカップリング物語ではなく、異なる「人との近づき方」を並べた青春群像劇になっています。


最終話「解氷」の意味とは?タイトルから読み解く小雪の成長

ここからは、原作の描写を踏まえた私自身の考察です。

私は第117話のタイトルが、「解氷」であることを非常に重要だと考えています。

「氷の城壁」という題名だけを見れば、「閉ざされた心を誰かが壊す物語」を想像するかもしれません。

しかし、最終話は「崩壊」でも「破壊」でも「突破」でもありません。

「解氷」です。

この言葉の違いは、小さく見えて本作全体の姿勢に関わっています。

壁を壊すという表現には、外部から力を加える印象があります。

一方、氷が解けるときには、形こそ変わりますが、そのものが失われるわけではありません。

時間や温度の変化によって、固まっていた状態が少しずつ変わっていきます。

小雪にも同じことが起こったのではないでしょうか。

彼女は最終回で、突然誰とでも話せる人物になるわけではありません。

人付き合いが苦手だった過去を否定するわけでもありません。

無口な性格が間違いだったと断罪されることもない。

ただし、以前とは違います。

相手の答えを聞く前に、「どうせ理解されない」とすべてを決めつけなくなる。

寂しいときには、寂しいと伝えることができる。

分からないことを、自分の想像だけで完結させず、相手との関係の中で確かめられる。

この変化は派手ではありません。

しかし、人間関係における成長として考えると非常に大きなものです。

本作序盤の小雪は、他人との間に距離を置くことで自分を保っていました。

それは悪いことというより、彼女が過去の経験から身につけた防御方法です。

だから本作は、その防御を「間違いだから捨てなさい」と描きません。

ここが私は好きです。

人間は、過去に傷ついたからこそ警戒します。

警戒していた自分もまた、そのときの自分を守るためには必要だった。

大人になって作品を読むと、この部分には思いのほか重みがあります。

成長とは、昔の自分を否定して新しい自分へ交換することではありません。

昔の自分が必要としていた防御を理解したうえで、今は別の選択もできると知ること。

小雪の「解氷」は、そうした変化として読むことができます。

そして、この考え方を一歩広げると、『氷の城壁』には興味深い構造が見えてきます。

小雪だけが「壁を持つ人物」なのではありません。

美姫は、周囲から期待される明るく魅力的な自分と、素の自分との間にずれを抱えます。

TVアニメ第8話でも、美姫が高校デビュー後、周囲の期待する「アイドル像」を演じ続けることに苦しむ姿が描かれています。

湊もまた、他人との距離を自在に縮められるように見えながら、自分の本当の感情を常にそのまま見せられる人物ではありません。

陽太も、相手を思う優しさゆえに、自分の望みを後回しにします。

つまり、『氷の城壁』という題名の「城壁」は、小雪だけのものではないと私は考えます。

四人は形こそ違え、それぞれ他人との間に境界線を持っている。

小雪だけは、その壁が外から見えやすい。

だから最初に物語の象徴になる。

けれど読み進めるほど、壁は誰にでもあるのだと分かってくる。

この構造こそ、本作を大人が読み返しても味わえる青春漫画にしている理由の一つでしょう。


アニメ『氷の城壁』はどこまで?第2期は2026年10月1日放送

原作とTVアニメの「最終回」は同じではありません。

2026年9月18日現在、TVアニメは原作第117話「解氷」まで到達していません。

第1期の最終話に当たる第14話は「爆弾」です。

第14話では体育祭後、陽太が小雪に、美姫への告白を決意したことを伝えます。

同じころ美姫も、陽太が自分に恋愛感情を持っているのではないかと考え始めます。

さらに体育祭応援団の打ち上げでは、桃香が小雪へ接近します。

つまり、アニメ第1期が終わった地点では恋愛関係が決着したのではありません。

むしろ、四人の関係に別の名前が付くかもしれない段階へ踏み込んだところなのです。

そしてTVアニメ第2期は、2026年10月1日から毎週木曜23時56分、TBS系28局で全国同時放送される予定です。

Netflixでは10月2日から先行配信が予定され、ほかの配信サービスでも順次展開されます。放送・配信時間については変更される場合があるため、視聴時には最新の案内を確認するのが確実です。

第2期のオープニングテーマはTHE BEAT GARDENの「エスコート」。

2026年9月14日に公開された第2弾PVでは桃香の心情から映像が始まり、小雪や湊との関係が動いていくことを予感させる内容が公開されています。

エンディングテーマはSuperflyの「花蔭」です。

Superfly側の発表では、2026年4月時点で原作がLINEマンガ累計閲覧数1.9億回を突破し、2026年8月末時点では電子版を含むコミックス累計発行部数300万部を突破したことも紹介されています。

原作が完結してからアニメで新たな読者・視聴者が作品へ入っているという点も、『氷の城壁』を考えるうえで興味深いところです。

完結作品のアニメ化には、一つ大きな特徴があります。

原作を先に読む場合、物語そのものの着地点まで一気に確認できます。

一方、アニメを追う場合は、小雪たちの声の揺れ、視線、沈黙、会話の「間」といった、漫画とは異なる表現で心理描写を味わうことができます。

『氷の城壁』はもともと、言葉にした内容だけでなく、言えなかった言葉や、相手の反応を待つ時間が重要な作品です。

そう考えると、この物語はアニメーションとの相性が非常に興味深い作品でもあります。

※画像はAIによるイメージ

第2期を見る際には、「誰と誰が付き合うのか」だけに注目するより、それぞれがいつ本音を言わず、いつ初めて言葉にするのかを追ってみると、作品の心理描写がさらに見えやすくなるでしょう。

特に小雪と湊は、言葉数だけを比較すると湊のほうが圧倒的に「話せる人」に見えます。

しかし、話す量と本心を伝える量は別です。

ここを意識すると、二人のすれ違いが単なる恋愛漫画的な焦らしではなく、性格や過去から生じた必然として読めるようになります。


『氷の城壁』のラストはハッピーエンド?私が感じた結末の意味

主要人物の関係という意味では、『氷の城壁』は明るい方向へ着地する結末と捉えてよいでしょう。

小雪と湊は恋人として歩み、美姫と陽太も交際へ進みます。

完結巻には、二組それぞれの交際後を描くおまけまで収録されています。

しかし私は、この作品を「二組のカップルが成立するハッピーエンド」とだけまとめるのは、少しもったいないと感じています。

なぜなら、最終回を迎えても四人は「完成した人間」にならないからです。

小雪は小雪のままです。

人と接することが得意な人物へ突然変わるわけではありません。

湊も、何も迷わない人物にはなりません。

美姫も陽太も、恋人になった瞬間から理想的な振る舞いができるわけではありません。

それでも、物語の初めとは違う。

以前よりも、自分の感情を相手に渡すことができる。

分からないことを、頭の中だけで決めつけず、相手へ確かめる余地を持てる。

拒絶される可能性があっても、大切な人との関係を自分から選べる。

私は、この変化こそ『氷の城壁』が描いた「成長」なのだと思います。

青春作品では、ときに成長が「欠点の克服」として描かれます。

内気だった人物が社交的になる。

弱かった人物が強くなる。

迷っていた人物が迷わなくなる。

けれど現実の人間は、それほどきれいに書き換わりません。

苦手なものは、年齢を重ねても苦手なまま残ることがあります。

それでも、「以前と同じ自分なのに、以前とは違う行動を選べた」という瞬間はある。

『氷の城壁』の最終話には、その感覚があります。

小雪の壁がなくなった、と言い切る必要すらないのかもしれません。

むしろ大切なのは、壁に扉を作れるようになったことではないでしょうか。

誰にでも開け放つ必要はない。

一人でいたいときまで、人と一緒にいる必要もない。

ただし、本当に大切な人まで「傷つくかもしれない」という理由だけで壁の外へ追いやらなくてもよい。

自分で扉を開ける相手を選べる。

これは「壁がなくなる」よりも、はるかに現実的で優しい変化です。

タイトルは「解氷」ですが、私は作品全体を読み終えたとき、この物語は「人見知りを克服する話」ではなく、自分と他人の間にある境界を、自分の意思で調整できるようになる話だったのだと感じました。

この視点に立つと、美姫と陽太の結末も同じテーマの別の面として見えてきます。

二人はすでに近い。

近いからこそ、関係を変えることが怖い。

小雪が「遠すぎる距離」から一歩近づいていく人物なら、美姫と陽太は「すでに近い距離」に新しい意味を与えていく人物たちです。

一見すると異なる恋愛ですが、どちらも扱っているのは人と人の距離です。

近づきすぎれば怖い。

離れすぎれば寂しい。

大切な関係ほど、そのちょうどよい距離は誰かから教えてもらえるものではありません。

四人が試行錯誤しながら自分たちなりの距離を探していくからこそ、『氷の城壁』は高校生の恋愛を描きながら、大人の読者にも残る作品になっているのだと思います。


まとめ|『氷の城壁』は全117話で完結、「解氷」は恋だけの最終回ではない

『氷の城壁』の原作漫画は全117話・全14巻で完結済みです。

最終14巻は2025年2月4日に発売され、第112話から第117話「解氷」までを収録。本編終了後には、小雪と湊、美姫と陽太それぞれの「付き合った後」を扱うおまけも収録されています。

恋愛の結末も明確です。

小雪と湊は恋人同士となり、美姫と陽太も最終的に交際します。

ただし、本作の本当の結末は「二組のカップルができました」という一文だけでは表せません。

小雪は、他人と関わることで傷つく可能性を恐れ、自分を守る壁を作ってきました。

最終盤では、その小雪が寂しさを認め、必要な相手へ自分の感情を伝え、自分から人との関係を選ぶようになります。

だからこそ、最後の一話は「解氷」なのでしょう。

誰かが外側から壁を叩き壊したのではありません。

友人との時間、家族との関係、恋をして迷った経験を重ねながら、小雪自身の内側に少しずつ違う温度が生まれていった。

私は、その静かな変化こそ『氷の城壁』のラストで最も印象に残る部分だと感じます。

なお、TVアニメは原作の結末にはまだ到達していません。

第1期は第14話「爆弾」まで放送され、第2期は2026年10月1日から毎週木曜23時56分、TBS系28局で放送予定です。

原作なら全14巻を通して結末まで確認でき、アニメなら声や視線、沈黙を含めた表現で四人の距離の変化を追えます。

どちらから触れる場合にも覚えておきたいのは、『氷の城壁』が結果よりも、その結果へ至るまでの心の動きを大切にした作品だということです。

「誰と誰が付き合うのか」は、確かに物語の重要な答えです。

けれど117話を読み終えたあとに残る問いは、もっと普遍的です。

人は、傷つくかもしれない相手と、それでもどうやって近づいていくのか。

その答えを一つに決めつけず、四人それぞれの歩き方で見せたことが、『氷の城壁』という作品の大きな魅力ではないでしょうか。


よくある質問

『氷の城壁』の原作漫画は完結していますか?

はい。原作漫画は全117話・全14巻で完結しています。

最終14巻は2025年2月4日に発売され、第117話「解氷」まで収録されています。

小雪と湊は最終回で別れますか?

いいえ。

小雪と湊は恋人同士となり、交際後の二人まで描かれます。第14巻には本編完結後、「付き合った後」の二人を扱うおまけも収録されています。

美姫と陽太は最終的に付き合いますか?

はい。美姫と陽太も最終的に恋人同士になります。

第14巻には、陽太と美姫についても「付き合った後」の二人を描いたおまけが収録されており、関係成立後まで確認できます。

篠原千鶴(アニメ愛好家・フリーランス校正者)