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桃華月詠の正体と魅力|『桃源暗鬼』で異彩を放つ月詠を徹底解説

タロットカードを展開する桃華月詠と無陀野無人が練馬の街で対峙する緊迫した戦闘シーン キャラクター・声優

桃華月詠は、『桃源暗鬼』の桃太郎機関で練馬区を担当する二十部隊の隊長で、タロットを用いる能力と無陀野無人を一時的に追い込む戦術眼を持つ実力者です。

2026年9月現在は本編だけでなく、桃角桜介との養成学校時代を描く公式スピンオフ『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』も既刊2巻まで刊行され、月詠を理解する材料は大きく増えています。

※本記事には『桃源暗鬼』練馬編の原作第5巻以降、TVアニメ第1期、および公式スピンオフ『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』の設定・あらすじに触れる内容を含みます。

桃華月詠とは何者?正体・所属・桃角桜介との関係

桃華月詠(ももか・つくよみ)は、桃太郎機関の練馬区担当・二十部隊を率いる隊長です。

原作では第5巻第41話「練馬区担当」で本格的に姿を見せ、副隊長の桃角桜介と行動します。TVアニメ版では浅沼晋太郎さんが桃華月詠、小野友樹さんが桃角桜介を担当していることも、アニメ公式イベント情報で確認できます。

「桃華月詠の正体」と検索すると、何らかの隠された血筋や裏切りがある人物なのかと想像する方もいるかもしれません。

しかし、少なくとも本編でまず押さえるべき「正体」は、秘密の別人格などではなく、桃太郎機関の隊長格であり、桃角桜介と組む戦闘能力の高い桃太郎という立場です。

月詠をひと目で特徴づけるのは、極端なまでの「占い好き」でしょう。

占い師のミョリンパ和歌子を強く信頼し、その年や日の運勢、ラッキーアイテムを行動の判断材料にしています。水晶をはじめ、ご利益がありそうな品を集める様子もあり、占いは単なる趣味ではなく、彼自身の世界の見方にまで入り込んでいます。

原作第7巻第60話では、無陀野無人との戦闘という緊張した局面でも、その日のラッキーアイテムであるボウリング球に関わる行動を取ります。

結果として危機回避につながったことで、本人の占いに対する信頼はむしろ補強されます。

ここだけを見ると、月詠は「判断を占いに預ける人物」に映るでしょう。

ところが、実際の戦闘では印象が変わります。

カードによって生じた状況を把握し、拘束、攻撃、行動阻害といった異なる効果をつなぎ合わせるため、戦闘中の月詠には相当な状況判断が必要だからです。

つまり、月詠は何もかもを運に任せているわけではありません。

運を信じてはいるものの、訪れた状況にどう対応するかという部分には、本人の経験と判断が残されています。

この二面性は、本編以上に公式スピンオフを知ることで輪郭がはっきりします。

秋田書店が「『桃源暗鬼』初の公式スピンオフ」と位置づけている『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』は、月詠と桜介の桃太郎機関養成学校時代を描く作品です。原作は漆原侑来さん、漫画は小田童馬さんが担当しています。

第1巻は2025年12月8日、第2巻は2026年7月8日に発売され、2026年9月現在は既刊2巻です。

これは月詠を語るうえで、かなり重要な追加情報です。

本編だけでは月詠と桜介は「息の合った隊長と副隊長」「強敵との戦闘を好む二人」として見えやすいのですが、外伝では現在の二人になる以前、養成学校時代まで物語がさかのぼります。

しかも公式の紹介では、二人に仲間を殺された野良鬼集団「鬼柳会」が復讐心を燃やすという対立が物語の軸として示されています。第2巻では、鬼柳会の若頭補佐・糸永銀が復讐のため血蝕解放を発動する展開も公式あらすじで明かされています。

そのため現在の月詠を知りたい場合、「練馬編の敵役」という一面だけで人物像を完成させない方がよいでしょう。

本編は現在の月詠、外伝は月詠と桜介がそこへ至るまでの過去を補う作品として読むと、人物像の立体感が大きく変わります。


桃華月詠の能力「神の望みを知る(ラグナロク)」とは?

桃華月詠の代表的な能力は、タロットカードを介して異なる現象を起こす「神の望みを知る(ラグナロク)」です。

一種類の技を繰り返す能力ではなく、引いたカードによって戦況そのものが変化するため、月詠の戦いは毎回同じ形になりません。

原作第8巻第62話では、運勢とカードの正位置・逆位置が結び付いていることや、同時に扱えるカードに制約があることが説明されます。

この点は月詠の強さを考えるうえで非常に大切です。

「何でも好きな能力を選べる」のではありません。

むしろ、与えられた手札の範囲で勝ち筋を作らなければならない能力と捉えた方が実態に近いでしょう。

作中で確認しやすいカードと描写を整理すると、次のようになります。

カード 作中で描かれる主な作用 主な確認箇所
SWORDSの8 複数の剣を用いて相手の自由を奪う 原作第7巻第60話
SWORDSの4 無陀野の動きを鈍らせる方向で使用 原作第8巻第61話
戦車 戦車を出現させて攻撃につなげる 原作第8巻第61話
SWORDSの騎士 騎士を出現。逆位置では月詠側に危険が及ぶ 原作第8巻第62話
ワンドの7 防御に用いるが、逆位置では十分に機能しない 原作第8巻第62話
力 獅子を出現させて攻撃へつなげる 原作第8巻第62話
星 無陀野への妨害から次の拘束へつなげて使用 原作第7巻第60話

ここで注意したいのは、カード名だけから一般的なタロット占いの意味を持ち込み、作中能力まで断定しないことです。

たとえば「星」は戦闘中に無陀野への妨害から次の攻撃へ結び付く形で描かれますが、その作用を必要以上に細かく定義するより、作中で何が起こったかという描写の範囲で理解する方が正確です。

同じことは「悪魔」の逆位置などにも言えます。

月詠にとって状況が好転する方向の描写はありますが、カードそのものの普遍的な効果を一文で断定してしまうと、演出上の描写と能力の厳密な仕様が混ざりやすくなります。

校正者として文章を見る立場からも、こうした能力解説では「明言された設定」と「戦闘描写から読み取れること」を分けたいところです。

※画像はAIによるイメージ

月詠の能力でさらに重要なのが、逆位置が本人にとって不利益になり得ることです。

第8巻第62話では「SWORDSの騎士」が逆位置となり、出現した騎士によって月詠自身が危険にさらされます。ワンドの7も逆位置となり、防御が思うように成立しません。

この制約があるため、「神の望みを知る」は万能なガチャ能力ではありません。

幸運なら有利、悪運なら不利というだけでもなく、悪い結果が出た後にどう生き残るかまで含めて使用者の力量が問われます。

私は、この設計が月詠の人物像と非常によく噛み合っていると感じます。

占いを信じるキャラクターにランダム性のある能力を持たせるだけなら、設定としては分かりやすいものの、少々一面的です。

しかし月詠の場合、占いの結果は常に自分を守ってくれるわけではありません。

信じている「運」が、ときに本人へ牙をむく。

それでもカードを引き続けるところまで含めて、彼の信念が能力として表現されています。


桃華月詠は強い?無陀野無人との戦いではどちらが上か

結論から言えば、作中の直接対決で勝ったのは無陀野無人です。ただし桃華月詠も、複数のカードを連携させて無陀野を一時的に追い込んでおり、隊長格にふさわしい実力者と評価できます。

以前の記事で使われがちな「互角」という言葉は、少し慎重に扱うべきでしょう。

月詠には明確な攻勢の時間がありますが、最終的には無陀野が戦闘全体を読み、勝利しています。そのため「互角」と言い切るより、無陀野にも防御と対応を強いた強敵と表現する方が作中結果に沿っています。

原作では第7巻第60話から第8巻第63話付近にかけて、両者の本格的な攻防が描かれます。

月詠はまずカードによる妨害と拘束を組み合わせ、無陀野の自由を奪ってから攻撃へ移ります。

続いて「戦車」を用いた攻撃を重ね、「SWORDSの4」で動きを制限する方向へ戦況を変えていきます。

ここに月詠の強さがあります。

単純に「強いカードを引いたから強い」のではありません。

拘束してから火力を重ね、解除された後は別の方法で機動力を削るというように、カード同士の役割をつないでいるのです。

カードの結果には偶然性がありますが、戦術まで偶然に任せてはいません。

一方、無陀野の戦い方は対照的です。

表面上は月詠の多彩な攻撃への対応を迫られながら、見えにくい形で自身の勝利条件を作っていきます。

原作第8巻第61話終盤では月詠の身体に異変が起こり、その後、無陀野が微細な血の雨を利用して月詠へ継続的なダメージを与えていたことが判明します。

ここは二人の強さの性質を比較するうえで、非常に面白い場面です。

月詠は「今ある盤面をカードで変える」人物です。

無陀野は「相手が盤面を動かしている間にも、数手先の勝利条件を仕込む」人物です。

月詠の攻撃は目に見えて派手に変化しますが、無陀野の怖さは、相手から見えない場所でも戦闘が進行していることにあります。

私は、これが両者の最終的な差だったと考えています。

月詠は戦術家です。

しかし無陀野は、個々の技への対応だけでなく、戦場全体を時間軸まで含めて管理する能力がさらに一段上だったのでしょう。

第8巻第62話では、月詠側の運勢も悪化します。

「SWORDSの騎士」の逆位置や、十分な防御につながらないカードに苦しめられながらも、月詠はそこで戦意を失いません。

「力」のカードなどを使い、反撃を試みます。

この場面から分かるのは、月詠の強さが幸運だけで成立しているわけではないことです。

むしろ悪いカードが続いた際にも戦闘を続行できるからこそ、隊長としての地力が見えてきます。

最終的には原作第8巻第63話で無陀野の大技によって決着し、アニメでも練馬編の重要な戦闘として両者の攻防が描かれました。

TVアニメ第1期の京都編・練馬編はすでに配信中で、公式サイトも第1期を「京都編&練馬編」として案内しています。

したがって、「桃華月詠と無陀野無人はどちらが強い?」という質問への答えは、直接対決の結果なら無陀野無人が上です。

ただし月詠は、一方的に倒された人物ではありません。

無陀野ほどの相手に複数の手段を成立させ、守勢に回らせる局面まで作ったこと自体が、二十部隊隊長という肩書の説得力になっています。


『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』で月詠の過去はどう変わって見える?

2026年9月時点で桃華月詠を深く知りたいなら、公式スピンオフ『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』は外せない作品です。

秋田書店は同作を、月詠と桃角桜介の「知られざる過去」に迫り、二人の桃太郎機関養成学校時代を描く公式スピンオフとして紹介しています。

第1巻は2025年12月8日、第2巻は2026年7月8日に発売されました。

さらに2026年9月4日発売の「月刊少年チャンピオン」2026年10月特大号にも『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』が掲載されており、2026年9月時点でも作品展開が続いていることが確認できます。

外伝の重要性は、単に月詠の出番が増えたことではありません。

月詠と桜介が「最初から現在の関係だったわけではない時間」を描けることにあります。

本編の練馬編では、二人は完成されたコンビとして登場します。

互いの戦闘嗜好を理解し、強敵との戦いにも自然に乗り、桃太郎機関の部隊長と副隊長として行動する。

読者は最初から「月詠と桜介」という一組の存在として二人を見ることになります。

外伝は、その完成形をいったん分解して見せる作品です。

養成学校時代という過去へ移ることで、「なぜこの二人が現在の距離感になったのか」「戦闘への価値観はどの段階で形成されたのか」といった疑問に近づける構造になっています。

また、公式あらすじでは野良鬼集団・鬼柳会との因縁が明確に示されています。

月詠と桜介に仲間を殺された鬼柳会が復讐心を燃やし、第2巻では若頭補佐・糸永銀が二人への復讐を目的として動きます。

ここは月詠を「単純な悪役ではない」と考える際にも、見落としてはいけません。

月詠に独自の価値基準や魅力があることと、鬼側から見て彼が危険な敵であることは両立します。

相手側には、月詠たちの行動によって失われたものがある。

外伝はその視点を持ち込むことで、月詠を安易に「実はいい人だった」と美化する読み方に歯止めをかけています。

私はここが、『桃源暗鬼』らしいところだと感じます。

魅力的な敵を描くために、その人物が与えた痛みまで帳消しにする必要はありません。

むしろ、自分たちの側から見れば信頼できる仲間でも、反対側から見れば許しがたい敵になり得る。

『桃源暗鬼』が一貫して扱う「立場が変われば正義の見え方も変わる」という問題を、月詠と桜介の過去はさらに具体的な人間関係へ落とし込んでいます。

※画像はAIによるイメージ

本編だけを読んだ月詠像と、外伝まで含めた月詠像には、少し違いがあります。

本編だけなら「占いを信じる奇人」「強敵との戦闘を好む隊長」「桜介と行動する桃太郎」という情報が中心です。

外伝を加えると、そこへ過去から続く桜介との関係と、鬼柳会から向けられる因縁が加わります。

現在の性格を設定資料の箇条書きとして見るのではなく、「この人物にも現在へ続く時間があった」と読めるようになる。

キャラクター解説としては、この変化が非常に大きいのです。


桃華月詠はなぜ単純な悪役ではない?桃太郎側の価値観を考察

桃華月詠は主人公・一ノ瀬四季たちの側から見れば敵ですが、物語上の役割と人物としての善悪を、そのまま同一視しない方が理解しやすいキャラクターです。

『桃源暗鬼』は、鬼の血を引く者と桃太郎の血を引く者との争いを描く作品です。

アニメ公式サイトも、昔話「桃太郎」を題材にしながら、鬼の血と桃太郎の血を引く者たちの争いを軸とする作品であると紹介しています。

主人公が鬼側にいる以上、物語の入口では桃太郎機関が「敵」として見えます。

ただし練馬編へ進むほど、桃太郎側の人物も一枚岩ではないことが明らかになります。

月詠と桜介は、桃太郎という所属を持ちながら、それだけで人格のすべてが説明できる人物ではありません。

無陀野という強敵との戦いに強く関心を示し、自らの戦闘欲求を行動理由として持っています。

ここには、組織の命令だけでは説明できない個人的な価値観があります。

もちろん、だから善人だという話ではありません。

戦闘を好み、鬼側にとって危険な存在であることに変わりはありません。

そして外伝では、鬼柳会から復讐の対象とされる過去まで描かれています。

月詠を理解するには、この両面を同時に見る必要があります。

敵であることと、魅力的な人物であることは矛盾しない。

反対に、魅力的だから過去の行動を無害化してよいわけでもありません。

この距離感を保つことで、月詠は「実は善人だった敵キャラ」という単純な枠から離れます。

個人的には、月詠を見る際には「鬼をどう思っているか」だけでなく、相手を何によって評価しているかに注目しています。

彼は無陀野のような強者に強い関心を示します。

所属や看板だけではなく、戦う相手の実力そのものを価値として見る側面がある。

この性質があるため、月詠の人間関係は「桃太郎だから桃太郎とだけ分かり合う」という単純なものにはなりにくいのではないでしょうか。

そして外伝によって桜介との過去が描かれ始めたことで、この読み方はさらに面白くなりました。

現在の二人だけを見れば、「気が合う戦闘狂同士」で済ませることもできます。

しかし養成学校時代から二人を見ると、現在の関係がどのように出来上がったのかという「過程」が問題になります。

キャラクターの関係性は、結果だけを見るより、形成過程を見る方が言葉や行動の重みを理解しやすくなります。

校正の仕事でも、一つの言葉を前後の文脈から切り離すと意味を取り違えることがあります。

人物造形も同じです。

月詠の現在だけを切り抜くより、外伝という「前の文脈」を加えて読むことで、本編の何気ない桜介とのやり取りにも別の厚みが生まれてくるでしょう。


桃華月詠のタロットは何を意味する?「運命と選択」から読み解く

ここからは、原作・アニメ・外伝で確認できる事実を踏まえた私見です。

桃華月詠という人物の核心には、自分で決められないものと、その後に自分で決めるものの境界があるように思います。

月詠は占いを信じています。

戦闘でも、引くカードや正位置・逆位置といった、自分の意思だけでは完全に支配できない要素を受け入れています。

一見すれば、主体性の弱い人物にも見えます。

ところが無陀野戦では、出たカードをどの順序で使い、どの局面へつなげるかという判断が必要になります。

そこで浮かび上がるのは、「運命を信じること」と「判断を放棄すること」は同じではないという点です。

月詠はカードそのものを支配できません。

しかし、カードを引いた後の行動までカードに命令されているわけではありません。

私は、ここに『桃源暗鬼』という作品全体との響き合いを感じます。

四季をはじめとする登場人物たちは、自分が鬼の血を引くか、桃太郎の血を引くかを選んで生まれたわけではありません。

その意味では、彼らも最初から一枚の「カード」を配られています。

けれど、血筋と行動は同じではありません。

鬼に生まれたから常に正しく、桃太郎に生まれたから常に間違っているわけではない。

どの側に生まれたかとは別に、その立場で何をするかが人物を形作ります。

月詠の能力も、それに近い構造を持っています。

引いた結果そのものは変えられなくても、その後をどう戦うかは残されている。

この対応関係を考えると、「占い好きだからタロット能力」という分かりやすいキャラクターデザインの奥に、作品テーマと相性のよい仕掛けが見えてきます。

また、タロットには正位置と逆位置があります。

同じカードであっても向きによって結果が変わるという構造は、鬼と桃太郎の物語にも重ねて読むことができます。

昔話の「桃太郎」では、桃太郎が鬼を退治する物語として知られています。

『桃源暗鬼』は視点を鬼側にも置くことで、「鬼を退治する桃太郎」という構図を別方向から見せます。

同じ対立であっても、立つ場所が変われば見える正義も変わる。

月詠の正位置・逆位置を、この作品の正義の表裏と結び付けて読むことは可能でしょう。

ただし、これは作者が公式に意味を明言した設定ではなく、あくまで筆者としての解釈です。

象徴表現は、断定した瞬間に作品の余白を狭めてしまいます。

私は「これが正解」と決めるより、「こう読むと月詠という人物と作品全体がつながって見える」という一つの鑑賞方法として捉えています。

そして外伝まで視野に入れると、この「見る立場によって意味が変わる」という構造はさらに鮮明です。

本編では月詠たちは主人公側の前に立ちはだかる桃太郎です。

一方、外伝では月詠と桜介が物語の中心へ近づき、彼らの過去が描かれます。

しかし同時に、鬼柳会から見れば二人は仲間を奪った相手でもある。

主人公に近い視点へ移ったからといって、相手側の痛みが消えるわけではありません。

この構造まで含めると、月詠は「正位置と逆位置」のように、どの視点から見るかによって異なる顔を見せる人物だと考えられます。

私は、ここが本編だけを読んだときよりも外伝刊行後の方が強く感じられる、月詠の新しい魅力だと思っています。


桃華月詠の今後は?外伝2巻とアニメ第2期の最新情報

2026年9月16日現在、桃華月詠をめぐる最新状況は、本編・公式外伝・TVアニメという複数の媒体を分けて確認する必要があります。

まず外伝では、『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』第2巻が2026年7月8日に発売済みです。

秋田書店のシリーズページでは既刊2巻と案内され、2026年9月発売の「月刊少年チャンピオン」にも作品名が掲載されています。

月詠を目的に追うのであれば、現在はこちらが最も直接的に過去を掘り下げている媒体です。

一方、TVアニメ『桃源暗鬼』は、第1期「京都編&練馬編」が配信中で、第2期「日光・華厳の滝編」が2026年10月から日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT」枠で放送予定と公式発表されています。

さらに放送に先駆け、2026年9月19日にはユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で第2期第1話・第2話の先行上映会が予定されています。

したがって、2026年9月時点で「月詠がアニメ第2期でどうなるのか」を断定するのは避けるべきでしょう。

第2期の中心は公式タイトルどおり「日光・華厳の滝編」であり、月詠の扱いについては実際の放送や公式発表を確認する必要があります。

ここで私が今後もっとも注目したいのは、新しいカードが何枚出るかではありません。

本編で完成形として登場した月詠と桜介の関係を、外伝がどこまでさかのぼって説明するのかという点です。

外伝があることで、本編の再読にも意味が生まれています。

過去を先に知らなかったからこそ何気なく読んだ場面が、過去を知った後では別の表情を見せる。

長期作品におけるスピンオフの面白さは、単なる補足情報ではなく、本編の既存場面を読み替える力にあります。

特に月詠は、表面の個性が強い人物です。

占い、ラッキーアイテム、タロット、戦闘好きという要素だけでも十分に覚えやすい。

そのため、過去の人間関係が補われた時に「奇抜な属性の集合」から「時間を生きてきた一人の人物」へ評価が変わる余地が大きいキャラクターだと感じます。

今後の外伝でどこまで桜介との関係や鬼柳会との因縁が掘り下げられるのか。

そして、それを踏まえて本編の月詠を見ると何が変わるのか。

月詠を追う読者にとっては、能力の追加よりもこちらの方が重要な見どころになっていくのではないでしょうか。


まとめ|桃華月詠は運を信じながら自分で戦況を選ぶ実力者

桃華月詠は、桃太郎機関・練馬区担当二十部隊の隊長で、副隊長の桃角桜介と行動する桃太郎です。

タロットを使う「神の望みを知る(ラグナロク)」では、カードに応じたさまざまな現象を戦闘へ利用します。

正位置だけでなく逆位置もあり、自分に不利な状況が生じるため、好きな能力を自由に選んで勝てる万能型ではありません。

無陀野無人との直接対決では最終的に敗れています。

そのため単純な強さの比較なら無陀野が上ですが、月詠も拘束、攻撃、行動阻害などを組み合わせ、一時は無陀野に対応を強いる戦いを見せました。

そして2026年現在、月詠を語るうえで欠かせなくなったのが公式スピンオフ『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』です。

第1巻は2025年12月8日、第2巻は2026年7月8日に発売され、月詠と桜介の桃太郎機関養成学校時代、そして野良鬼集団・鬼柳会との因縁が描かれています。

本編だけなら、月詠は「占いを信じる戦闘狂の隊長」としても読めます。

しかし外伝まで含めると、その背後に桜介との過去や、鬼側から向けられる復讐の感情があることが分かります。

私が月詠の魅力として最も興味深いと感じるのは、運を信じることそのものではありません。

自分では決められない結果を受け取った後、それでも行動を選び続ける姿勢です。

タロットの正位置と逆位置。

鬼と桃太郎。

本編での敵という顔と、外伝で中心人物となった時に見えてくる顔。

一つの人物でも、見る位置が変われば意味が変わります。

桃華月詠は、その『桃源暗鬼』らしい表裏を、とても分かりやすく体現している人物なのではないでしょうか。


よくある質問

桃華月詠とは何者ですか?

桃華月詠は、『桃源暗鬼』に登場する桃太郎機関・練馬区担当二十部隊の隊長です。

副隊長の桃角桜介と行動し、TVアニメでは浅沼晋太郎さんが声を担当しています。2026年現在は、二人の養成学校時代を描く公式外伝『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』も刊行されています。

桃華月詠の能力「神の望みを知る」はどんな能力ですか?

タロットカードを介し、引いたカードに応じた異なる現象を戦闘へ利用する能力です。

拘束や攻撃、防御など幅広い使い方ができますが、正位置・逆位置によっては月詠本人に不利な状況も生まれるため、完全に自由な万能能力ではありません。

桃華月詠と無陀野無人はどちらが強いですか?

作中の直接対決では、無陀野無人が勝利しています。

ただし月詠も複数のカードを組み合わせて無陀野に対応を迫っているため、「月詠が弱い」という結果ではありません。戦場全体を読み、目立たない攻撃まで勝利へ結び付けた無陀野の方が最終的に一枚上だった、と捉えるのが自然です。

『桃源暗鬼外伝 ~月と桜の狂争曲~』はどんな作品ですか?

桃華月詠と桃角桜介の桃太郎機関養成学校時代と、二人の知られざる過去を描く公式スピンオフです。

秋田書店によると『桃源暗鬼』初の公式スピンオフで、野良鬼集団・鬼柳会との因縁も物語の軸となっています。第1巻は2025年12月8日、第2巻は2026年7月8日発売です。

篠原千鶴
アニメ愛好家・フリーランス校正者