PR

『正反対な君と僕』タイラズマは付き合う?平×東の関係を追う

卒業後も静かにつながり続ける平と東を思わせる夜の街と二人のシルエット キャラクター・声優

『正反対な君と僕』のタイラズマは、本編でも8巻描き下ろしでも交際は明言されませんが、卒業後も二人で会い続けます

東紫乃は原作第52〜56話で平秀司への恋心を自覚し、第58話では平も東の好意の可能性に気づきます。そして第64話「スタートライン」で平自身が卒業後も会いたいと望み、最終8巻の巻末描き下ろしでは、高校卒業後にも二人の交流が続いていることが示されます。

『正反対な君と僕』タイラズマは付き合う?まず結末を整理

「タイラズマは最終的に付き合うのか」「平と東の結末はどうなったのか」と知りたい方へ、最初に確定事項を整理します。

原作本編でも、コミックス8巻の巻末描き下ろしでも、平秀司と東紫乃が恋人になったとは明言されていません。

ただし、「付き合わないまま疎遠になった」という結末でもありません。

重要な事実は次の5点です。

  • 東は第52〜56話にかけて、平への感情を恋だと自覚する
  • 第58話では、平も「東が自分を好きなのではないか」という可能性に気づく
  • 第61話で平は、自分の居場所や周囲から向けられる好意を疑い続ける姿勢から一歩進む
  • 第64話「スタートライン」で、平から東へ卒業後も会いたいという意思が示される
  • コミックス8巻の巻末描き下ろしでは、卒業後の平と東が二人で出かける関係を続けている

第64話「スタートライン」は2024年11月11日、最終第65話は同年11月25日に「少年ジャンプ+」で公開されました。作品は全8巻で完結しており、最終8巻は2025年3月4日発売です。

また、集英社が公開している第8巻の目次では、第59話から第64話、最終話に続いて「番外編」と「巻末描き下ろし」が収録されていることまで正式に確認できます。

ここで大切なのは、「本編終了時点」と「単行本の描き下ろしまで含めた最終状態」を分けて考えることです。

本編第64話までなら、「卒業後もまた会いたい」と二人が学校の外へ関係をつなげたところがタイラズマの大きな着地点です。

一方、8巻の巻末描き下ろしまで含めれば、その約束が単なる卒業式の感傷ではなく、実際に卒業後も続いていることまで分かります。

したがって、検索への最も正確な答えは、「正式交際はしていない。ただし互いに特別な存在となり、高校卒業後も自分たちの意思で会い続けている」でしょう。

なお本稿では、「少年ジャンプ+」の各話公開情報、集英社のコミックス書誌、TVアニメ公式サイト、TBSの番組情報を一次資料として照合しています。巻末描き下ろしの具体的な場面については、一次公開ページで本文全体を確認できないため、複数の作品解説で内容が一致している範囲に限定して取り上げます。

この区別を置くことで、「付き合ったのか」という二択だけでは見落としやすい、タイラズマの本当の結末が見えやすくなります。


第20話から第49話まで|平と東は恋より先に「信頼」を作った

タイラズマの関係がなぜここまで慎重に進むのかを知るには、恋愛感情が表面化するより前を見る必要があります。

最初の大きな転機は、2022年12月12日公開の第20話「許す女」です。

平と東たちは出先で中学時代の知人たちと遭遇します。

高校デビューをしている平にとって、中学時代の自分を知る人物との再会は居心地のよいものではありません。しかし、そこで焦点になるのは平の過去だけではなく、東が以前の人間関係で受けてきた雑な扱いでした。

東は、自分が嫌な思いをしていても、相手にも事情がある、もう終わったことだからと飲み込みがちな人物です。

その東に対して平は、彼女自身より先に「それはおかしい」と反応します。

アニメ版でもこの流れは第8話「今年の秋は…」で描かれました。公式あらすじでは、元彼からの連絡に悩む東に平が彼女の気持ちを代弁し、それをきっかけに東が「自分を大切にすること」を考え始めると説明されています。

これは恋愛漫画として見ると、かなり特徴的な出発点です。

平は東へ格好よくアプローチしたのではありません。

むしろ、東本人が軽く扱っていた東の感情を、平だけが軽く扱わなかったのです。

私は、この第20話をタイラズマの「恋の始まり」と断定するより、東が平を信頼できる人物として認識する始まりと読むほうが適切だと考えています。

恋愛感情より先に、「この人は私の不快感を無かったことにしない」という経験が置かれているからです。

続く第24話「サイレント遠慮」は2023年2月6日公開。ここでは、人間関係で先回りして遠慮してしまう東の性質が描かれます。

東は明確に拒絶されていなくても、自分が加われば迷惑ではないか、自分から一歩引いたほうがよいのではないかと考えます。

第20話で見えた「自分の嫌だった気持ちを小さく扱う」という癖と、第24話の「歓迎される前に自分から退く」という癖は、別々の問題ではありません。

どちらも、人との関係に期待しすぎないことで傷つく可能性を減らす防御です。

一方の平にも、よく似た防御があります。

平は自分への好意や周囲からの受容に対して、「本当にそうなのか」と疑いを差し挟みます。

つまり二人は表面上こそ異なりますが、相手を疑う平と、自分の望みを引っ込める東という違う方法で、人間関係に期待しないようにしてきたわけです。

ここが、タイラズマという組み合わせの土台でしょう。

その後、二人は同じ地元から通う関係もあって、登下校や帰り道で話す時間を重ねます。

アニメイトタイムズによる原作の時系列整理では、第47話で平が過去の傷に関する弱みを東へ打ち明け、第49話では二年生最後の日に二人でファミリーレストランへ入り、新しいクラスになっても愚痴を聞き合う約束をします。

第49話で重要なのは、「同じクラスだから一緒にいる」という受動的な関係から変わったことです。

クラスが離れる可能性を前にして、二人はそれでも関係を続けるための接点を自分たちで作るようになります。

恋愛関係になる前に、学校という仕組みに頼らないつながりを作っていた。

この小さな変化が、卒業式の第64話、さらに卒業後を描く8巻の巻末描き下ろしまで一本につながっていきます。

※画像はAIによるイメージ

東が平を好きになるのはいつ?第52〜56話で自覚、第58話で関係が揺れる

タイラズマについて特に誤解されやすいのが、「東が平を好きになるのは第58話」という整理です。

より正確には、東が平への感情を恋として認めていくのは第52話、第55話、第56話の流れで、第58話はその恋心が平に察知されたことで関係が揺れる回です。

第52話「んなわけ」は2024年4月1日、第55話「未定/暫定/確定」は5月27日、第56話「右往左往」は6月10日に公開されています。

東はすでに第49話の時点で、平が自分にとって特別な人物になりつつあることを感じています。

しかし、これまで自分が恋愛対象として意識してきた男性と平は、タイプも関係の築き方も違います。

そのため、「平が特別であること」と「平が好きであること」をすぐには結び付けられません。

ところが、地元で会えることをうれしく感じる。

学校で平が別の女子と一緒にいると気分が沈む。

帰る時間が合わなくなることを寂しく感じる。

そうした自分自身の反応から逃げられなくなり、最終的に平への感情を恋だと認めていきます。

アニメイトタイムズも、第52・55・56話をまとめて「普通の恋に戸惑う東」の局面として整理し、第56話の時点で東が平への気持ちを自覚した流れを紹介しています。

ここは、東という人物の成長を見るうえでも重要です。

以前の東は、恋愛関係そのものへ入ることには比較的ためらいが少ない一方、そこで自分が傷ついても「まあいいか」と処理していました。

ところが平については逆です。

好きだと分かった途端、簡単には動けなくなります。

なぜなら、平は「これから付き合えるかもしれない男性」である以前に、すでに失いたくない友人だからです。

告白して失敗すれば気まずくなるかもしれない。

交際できても、いつか別れれば今の関係まで消えるかもしれない。

この不安は、東が以前より臆病になったというより、むしろ人との関係を大切に扱えるようになった結果だと私は感じます。

そして2024年7月8日公開の第58話「視線の先」で、状況がもう一段動きます。

ここで平は、東の振る舞いから「自分を好きなのではないか」という可能性へたどり着きます。

しかし平は、喜んで恋愛へ進むことができません。

集英社の最終8巻紹介にも、平が「東が自分を好きかもしれない」という可能性を最終的に勘違いだと結論づけ、その後は以前より東の話を真剣に聞くようになることが記されています。

第58話の段階では、平は一度、東を避ける方向へ動きます。

自己評価の低い平にとって、「東から好かれているかもしれない」という期待は、うれしい以前に怖いのです。

期待したあとで勘違いだったと分かれば傷つく。

自分が好かれていると思うこと自体、思い上がりなのではないか。

その思考が先に働きます。

東も平に好意を察知されたと気づき、関係そのものを失わないため、気持ちを隠す方向を選びます。アニメイトタイムズの原作振り返りでも、第58話は「平が東の好意の可能性に気づく回」であり、東は関係を終わらせないため恋心を隠そうとすると整理されています。

つまり第58話は恋心の発生地点ではありません。

東の恋が「自覚する問題」から、「大切な友人関係とどう両立させるかという問題」へ変わる地点なのです。

この切り分けをすると、タイラズマ終盤の心理がかなり読みやすくなります。


第61話から第65話の結末|平が「疑う」ことをやめ、第64話でまた会いたいと伝える

東側の恋心が整理されたあと、物語が向き合うのは平自身の問題です。

その決定的な回が、2024年9月16日公開の第61話「よりどころ」でしょう。

平は、自分がなぜ周囲に対して劣等感を抱き、友人関係を完全には信じられないのかを考えていきます。

高校で鈴木たちと楽しい時間を過ごしていても、心のどこかでは「本当は自分がいなくてもいいのではないか」「何かあればこの関係は簡単に壊れるのではないか」と予防線を張っていました。

ところが第61話では、自分がずっと欲しがっていた「居場所」が、すでに目の前に存在していたと平が理解します。

アニメイトタイムズの名台詞解説でも、第61話は、平が傷つかないために居場所を疑っていた自分と向き合い、すでに信じられる場所を手にしていたことへ気づく回として紹介されています。

これはタイラズマの恋愛に直結する変化です。

平の問題は、東を好きか嫌いか以前に、「相手から与えられる好意や居場所を信じてもよい」と思えるかどうかでした。

東がどれほど分かりやすく近づいても、平が「そんなはずはない」と受け取れば関係は進みません。

第61話は、平が急に自信家になる回ではありません。

疑う癖が残っていても、その疑いを常に正しいものとして扱うのをやめようとする回です。

私はここに、タイラズマ終盤で最も重要な変化があると考えています。

恋人になるための勇気ではなく、人から好かれる可能性を否定しない勇気を平が持ち始めたからです。

そして2024年11月11日公開の第64話「スタートライン」で、二人は卒業式を迎えます。

楽しかった高校生活が終わることに耐えきれず、平と東は人目の少ない場所で感情を共有します。

平は、これまで自分の弱さや面倒な部分まで見てきた東へ、高校生活を通じた感謝を伝えます。

一方の東は、その言葉を受け取ったことで、平との関係に十分なものを得られたと感じ、恋心へ一度区切りをつけようとします。

ここだけを見れば、タイラズマは「恋愛にはならず、よい友人として終わる」ようにも見えます。

ところが、その直後に重要な一歩を踏み出すのは平です。

卒業して学校が別々になったあとも、また東と会えるかと、自分から関係の継続を望みます。第64話を振り返ったアニメイトタイムズの記事でも、この流れが紹介されています。

ここで第64話の題名「スタートライン」の意味が変わって見えます。

高校時代の二人は、同じ学校、地元、共通の友人という「会う理由」を持っていました。

しかし卒業後は、その理由がなくなります。

それでも会いたい。

そう平自身が言葉にすることは、これまで「誘われたからそこにいる」「偶然一緒になるから話す」ことの多かった彼にとって大きな変化です。

学校に関係を維持してもらう段階から、自分たちの意思で関係を維持する段階へ移った。

私は、「スタートライン」という題名を、この変化に重ねて読むのが最も自然だと感じます。

最終第65話は2024年11月25日に公開されました。物語全体としては主人公である鈴木と谷の関係へ視点を戻し、『正反対な君と僕』という作品そのものを締めくくります。

そのため、平と東について第65話で改めて告白や交際開始が付け足されるわけではありません。

少年ジャンプ+掲載本編だけで言えば、タイラズマの結末は「交際未確定。ただし卒業後も会おうと平が自分から望んだ」で止まります。

しかし、単行本第8巻では、ここにさらに後日談が加わります。

※画像はAIによるイメージ

8巻描き下ろしで平と東はどうなる?卒業後のドライブが示すもの

「平と東の結末」を調べるなら、本編第64・65話だけで終わらせず、コミックス第8巻まで分けて確認する必要があります。

集英社の公式書誌によると、『正反対な君と僕』第8巻は2025年3月4日発売。

収録内容は第59話から第64話、最終話に加え、213ページから「番外編」、218ページから「巻末描き下ろし」が収録されています。

ここでまず明確にしておきたいのは、番外編と巻末描き下ろしは別枠だということです。

そして、平と東の卒業後の姿を知るうえで特に重要なのが巻末描き下ろしです。

描き下ろしの具体的内容については、集英社の公開書誌では本文そのものまでは掲載されていません。

そのため一次情報として確認できるのは「巻末描き下ろしが収録されている」というところまでですが、複数の作品解説では、卒業後の東が車を運転し、平と二人で夜のドライブへ出かける場面が描かれていると一致して紹介されています。さらに工場夜景を見に行く二人の様子も報告されています。

ここで重要なのは、ドライブをしているから「二人は恋人になった」と結論づけないことです。

描き下ろしでも、告白や交際開始が明言されたという情報は確認できません。

しかし、高校卒業後も二人で会っていることは、関係の結末を考えるうえで非常に大きな事実です。

第64話で平が「卒業後も会いたい」と望んだことが、その場限りの言葉ではなかったと分かるからです。

高校時代なら、同じ学校へ行けば会えました。

卒業後は違います。

進む道や生活時間が変われば、連絡し、日程を合わせ、どちらかが誘わなければ会えません。

それでも二人は会っている。

しかも巻末描き下ろしでは、東の運転する車の中で時間を過ごす姿が描かれているとされています。

ここには、第20話から積み重ねてきたタイラズマの変化が凝縮されています。

第20話の二人は、他人との関係に傷を抱えながら、それぞれ違う方法で身を守っていました。

第58話では、恋心が関係を壊す可能性におびえます。

第61話で平は、自分がすでに持っている居場所を信じる方向へ進みます。

第64話では平が、学校という共通点がなくなっても東と会いたいと自分から望みます。

そして描き下ろしでは、実際に「学校がなくても会う二人」になっている

この順序を追うと、描き下ろしの数ページが単なるファンサービスではなく、第64話への回答として機能していることが分かります。

「付き合ったか」という問いには、最後まで「明言なし」と答えるしかありません。

一方で「二人の関係は卒業で終わったか」という問いには、明確に「終わっていない」と答えられます。

この違いは、タイラズマを理解するうえで非常に大切です。


アニメ第21話ではどこまで進んだ?2026年9月時点のタイラズマ

2026年9月1日時点では、TVアニメ『正反対な君と僕』第2期が放送中です。

第2期は2026年7月5日からMBS・TBS系全国28局ネットで毎週日曜午後5時に放送されています。

TVアニメ公式は平と東について、作中で「タイラズマ」と呼ばれる「物語に欠かせない人気コンビ」と正式に紹介しています。

東紫乃役は島袋美由利さん、平役は加藤渉さんです。公式キャラクター紹介では、東は大人びているものの、これまでまともな恋愛をした経験がなく、平は自信を持てず斜に構えた性格として説明されています。

第2期では、原作で描かれた東の感情の変化が段階的に映像化されています。

第19話「グラデーション」では、新学期に平と別クラスになった東が、平とは「友達」なのだと自分へ言い聞かせながら、平の何気ない言葉に胸を弾ませます。

そして2026年8月30日放送の第21話「過去と今」では、公式サイトとTBSの番組情報の双方が、平への想いを自覚した東と明記しました。

したがって、2026年9月1日時点のアニメ版について、「東は平が好きなのか」という問いは、すでに推測の段階ではありません。

東が自分の恋心を認識するところまで、公式に映像化されています。

ここからアニメで注目すべきなのは、東の気持ちそのものより平側です。

原作ではこの先、平が東からの好意の可能性に気づく第58話相当の局面、そして自分の居場所を信じる第61話、「スタートライン」へと進みます。

しかも2026年7月11日に公開された公式イベントレポートでは、キャストの鈴代紗弓さんから、第2期で原作の最後まで描くことが発表されています。

これはタイラズマを追っている視聴者にとって大きな情報です。

少なくとも原作本編の第64話・最終話までがアニメ化対象であることは公式に示されています。

一方、コミックス8巻に追加された番外編や巻末描き下ろしまで映像化されるかについては、2026年9月1日時点で公式な明言を確認できません。

したがって、今後アニメで見るべきポイントは二段階あります。

まず、平が東の好意とどう向き合い、第61話の自己認識へたどり着くのか。

次に、第64話「スタートライン」の卒業式をどのような演出で映像化するのかです。

そして、もし8巻巻末描き下ろしまでアニメ化されるなら、卒業後のタイラズマまで映像で見られる可能性があります。

ただし、そこは現段階では期待と事実を分けておく必要があります。


考察|タイラズマが交際を明言しない結末だからこそ見える成長

ここからは、確認できる事実と分けて私見を述べます。

私は、平と東を正式な恋人として確定させなかったことは、物語上かなり筋の通った結末だと考えています。

タイラズマの問題は、単純に「両片思いなのに告白できない」ことではありませんでした。

東の課題は、自分が嫌だと思った気持ちを無かったことにせず、相手との関係を守るためだけに自分を小さくしないことです。

平の課題は、人から与えられる好意や居場所を、傷つく前から偽物だと決めつけないことでした。

この二つの問題を抱えたまま交際だけ成立させても、根本的な部分は変わりません。

平は、東が少し不機嫌になるだけで「やはり自分とは付き合いたくなかったのではないか」と疑うかもしれません。

東は、平との関係を失いたくないあまり、本当は嫌だったことまで再び飲み込むかもしれません。

だから『正反対な君と僕』は、恋人という肩書きを先に与えませんでした。

代わりに描いたのは、関係を続けてもよい自分になるまでの過程です。

第20話では、平が東の痛みを本人より重く扱いました。

第49話では、二人がクラスという偶然を越えてつながろうとします。

第52〜56話では、東が「平を失いたくない」という感情の正体を恋として認識します。

第58話では、その恋がかえって二人の距離を壊しかねない局面へ進みます。

第61話では、平が「人の好意を疑っておけば安全だ」という長年の防御から一歩出ます。

第64話では、平自身が卒業後も東と会いたいと口にします。

そして8巻の描き下ろしでは、その関係が卒業後にも実際に続いている。

こう並べると、各話で同じ心理を繰り返しているのではなく、二人が別々の課題を一段ずつ越えていることが分かります。

私は特に、第64話と巻末描き下ろしの関係にタイラズマらしさを感じます。

第64話の時点で東は、平との恋に一度区切りをつけようとしています。

そこへ平が「また会いたい」と関係の継続を望む。

これは典型的な恋愛漫画なら、その場で告白につなげても不思議ではない構図です。

しかし作品は、そこからすぐに恋人という名前を付けません。

代わりに描き下ろしで、二人が本当に卒業後も会っている姿を置きます。

つまり証明されたのは「恋人になったこと」ではなく、相手に会いたいという意思が高校卒業後も続いたことです。

私は、この描き方に『正反対な君と僕』の人間関係への誠実さを感じます。

人との関係は、名前を付けた瞬間に完成するわけではありません。

友達だから安心できるとも、恋人だから必ず深く理解し合えるとも限りません。

重要なのは、自分がその相手とどうありたいのかを、その都度選び続けることです。

平と東はまさに、その「選び続ける」段階へ進みました。

高校時代は、同じ場所にいるから一緒に帰れた。

卒業後は、会うために動かなければ会えない。

それでも二人は会う。

ここに、第20話からの変化が最も端的に表れています。

もう一つ、鈴木と谷との対比も興味深いところです。

鈴木と谷は、恋愛感情を入口にして相手の違いを知り、その違いを言葉で調整していく二人です。

平と東は逆に、友人として互いの弱さや人付き合いの癖を知り、安全な相手だと理解したあとから恋が生まれます。

恋をしてから信頼する鈴木と谷に対し、信頼した結果として恋へ傾く平と東。

この順序の違いが、同じ作品の中で恋愛を単一の形にしない豊かさにつながっています。

さらに言えば、タイラズマは互いを「救済する人物」として描かれていません。

平がいたから東の過去が消えたわけではありません。

東から好かれたから平の劣等感が突然なくなったわけでもありません。

相手の言葉によって、自分が当然だと思ってきた考え方を少し疑えるようになった。

その小さな修正を何度も繰り返したことが、二人の成長です。

校正の仕事では、一文字の違いが文章全体の意味を変える場面に何度も出会います。

タイラズマにもよく似たところがあります。

「一緒にいる」から「一緒にいたい」へ。

「会える」から「また会いたい」へ。

ほんのわずかな言葉の違いですが、関係の主体が大きく変わっています。

高校卒業後のドライブまで含めて見ると、二人はもう「たまたま会える人」ではありません。

会うことを自分たちで選ぶ人になりました。

私はそこを、恋人という呼称以上に重要なタイラズマの結末だと考えています。


まとめ|平と東は付き合わないが、8巻描き下ろしでも関係は続く

『正反対な君と僕』のタイラズマこと平秀司と東紫乃は、原作本編でもコミックス8巻の描き下ろしでも、正式に付き合ったとは明言されていません

東が平への恋心を自覚する流れは第52〜56話で描かれ、第58話では平がその好意の可能性に気づきます。

その後、第61話「よりどころ」で平は、周囲から受け入れられている自分の居場所を信じる方向へ進みます。

そして第64話「スタートライン」の卒業式では、一度恋心へ区切りをつけようとする東に対し、平自身が卒業後もまた会いたいと伝えます。

最終第65話で交際が確定することはありません。

しかしコミックス第8巻には番外編と巻末描き下ろしが追加され、卒業後にも平と東が二人で会う関係を続けていることが示されます。描き下ろしについては、東の運転で夜のドライブへ出かける二人の姿が複数の作品解説で一致して紹介されています。

ですから、「平と東は付き合う?」への答えは、単純な「はい」でも「いいえ」でもありません。

交際は明言されない。しかし学校という会う理由を失ったあとも、自分たちの意思で会い続ける特別な関係になった。

これが、8巻描き下ろしまで含めて確認できるタイラズマの結末です。

2026年のTVアニメでも、第21話「過去と今」で東が平への想いを自覚するところまで進みました。第2期は原作の最後まで描くことが公式に発表されているため、今後は第58話以降の平側の揺れ、そして第64話「スタートライン」がどのように映像化されるのかが大きな見どころになります。

タイラズマがたどり着いたのは、恋愛の「ゴール」ではありません。

自分は誰かに大切にされてもよい。

相手との関係を、自分から続けたいと思ってもよい。

そう二人が考えられるようになった場所こそが、題名どおりの「スタートライン」なのだと、私は受け取っています。


よくある質問

『正反対な君と僕』のタイラズマとは誰と誰ですか?

平秀司と東紫乃の二人です。

TVアニメ公式も、平と東を作中で「タイラズマ」と呼ばれる人気コンビとして正式に紹介しています。東役は島袋美由利さん、平役は加藤渉さんです。

平と東は最終的に付き合いますか?

付き合ったとは明言されません。

本編第64話では平から卒業後も会いたいという意思が示され、第65話でも交際開始は描かれません。

ただし最終8巻の巻末描き下ろしでは卒業後にも二人の交流が続いており、夜のドライブをする関係として紹介されています。

そのため、「恋が失敗した二人」というより、関係に名前を付けないまま、卒業後も互いを選び続けている二人と捉えるほうが作中の流れに沿っています。

東が平を好きだと自覚するのは原作何話ですか?

一話だけを挙げるより、第52話、第55話、第56話の流れで自覚していくと整理するのが正確です。

第52話では平が特別な存在であることへの戸惑いが強まり、第55〜56話にかけて、自分の感情を恋として認めていきます。

第58話は東が初めて好きになる回ではなく、平が東からの好意の可能性に気づき、二人の関係が揺れる回です。

アニメで東が平への恋心を自覚するのは何話ですか?

2026年8月30日放送の第21話「過去と今」です。

TVアニメ公式サイトとTBSの番組情報はいずれも、東について「平への想いを自覚した」と説明しています。

ただし変化そのものはもっと前から始まっており、第8話では平の言葉をきっかけに自分を大切にすることを考え、第19話では別クラスになった平を「友達」だと言い聞かせながら意識する姿が描かれています。

8巻の巻末描き下ろしもアニメ化されますか?

2026年9月1日時点では、巻末描き下ろしまでアニメ化すると明言した公式情報は確認できません

第2期が原作の最後まで描くこと自体は、2026年7月公開の公式イベントレポートで発表されています。

そのため本編第64話・最終話までの映像化には期待できますが、8巻で追加された番外編や巻末描き下ろしを含むかどうかは、今後の公式発表を待つ必要があります。

――篠原千鶴(アニメ愛好家・フリーランス校正者)