2026年版『攻殻機動隊』のOPはKing Gnu「GO GHOST」、EDはMILLENNIUM PARADE「Blue」です。
二曲を結ぶ人物は常田大希ですが、より重要なのは、常田と『攻殻機動隊』の関係が2020年の『SAC_2045』から続いている点です。2026年版では、その縁をそのまま反復するのではなく、King GnuとMILLENNIUM PARADEへ役割を分けて更新しています。
『攻殻機動隊』2026年版のOP・ED主題歌は何?
TVアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』では、OPテーマをKing Gnu「GO GHOST」、EDテーマをMILLENNIUM PARADE「Blue」が担当しています。King GnuとMILLENNIUM PARADEが同じ作品でそれぞれテーマ曲を担当するのは、公式発表によれば今回が初めてです。
基本情報を先に整理します。
区分 楽曲 アーティスト 配信日
OP GO GHOST King Gnu 2026年7月29日
ED Blue MILLENNIUM PARADE feat. Saya Gray, Daniel Caesar 2026年7月8日
「GO GHOST」は常田大希が作詞・作曲し、King Gnuが編曲を担当。「Blue」はSaya GrayとDaniel Caesarが作詞、常田大希、Saya Gray、Daniel Caesarが作曲者としてクレジットされています。
アニメ本編は2026年7月7日から、カンテレ・フジテレビ系全国ネット「火アニバル!!」枠で毎週火曜23時に放送。Prime Videoでは毎週火曜23時30分から国内最速配信され、7月8日以降は各種配信サービスでも順次配信されています。2026年9月4日時点でも放送中です。
作品は士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』を原作とするTVアニメ最新作で、監督はモコちゃん氏、シリーズ構成・脚本は円城塔氏、キャラクターデザイン・総作画監督は半田修平氏、アニメーション制作はサイエンスSARUが担当します。音楽監督・音楽は岩崎太整氏、音楽は小西遼氏とYUKI KANESAKA氏です。
つまり今回の音楽を理解する際は、「King Gnuが主題歌を歌う」という情報だけを見るより、本編劇伴、OP、EDがそれぞれ異なる立場から作品世界を支えていると捉えた方が分かりやすいでしょう。
King Gnu「GO GHOST」とは?発表日・配信日・OP映像を整理
King Gnu「GO GHOST」が『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』のOPテーマになることは、2026年7月5日に発表されました。
発表の舞台となったのは、米ロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2026」の本作パネルです。公式レポートによると、OPがKing Gnuの新曲だと明かされた際には会場から大きな歓声が上がりました。
放送開始に合わせ、7月8日には「GO GHOST」を使用したノンクレジットOP映像も公開されています。公式はこの映像を、公安9課のメンバーの活躍と今後のドラマを予感させる構成と説明しています。
配信日とジャケットについては日付を正確に押さえておきたいところです。
『攻殻機動隊』公式グローバルサイトでは2026年7月14日付の記事で、「GO GHOST」が7月29日に配信されることと、草薙素子を描いたジャケットが発表されています。
なお、Sony MusicのKing Gnu公式ページには同内容の記事が7月13日付で掲載されています。媒体によって掲載日が一日異なるため、本稿では『攻殻機動隊』公式サイトの日付を基準に「7月14日」としています。
さらに8月4日には「GO GHOST」のMusic Videoも公開されました。
こちらは実写のバンド演奏を中心にしたMVではなく、TVアニメ本編の映像を楽曲に合わせて再編集し、『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の世界を改めて解釈したアニメーションMVです。King Gnuにとって、この形式は初の試みと公式に説明されています。
反響についても、確認できる数字があります。
作品公式によれば、「GO GHOST」は配信初日に国内ストリーミング合計100万回以上を記録し、リリース後5日間で各種デイリー・週間チャート合計45冠を達成しました。その後、Billboard JAPANの「Hot Shot Songs」でも首位を獲得したとSony Musicが発表しています。
ここまでは公式情報として確認できる事実です。
では、音そのものは『攻殻機動隊』とどう結び付いているのでしょうか。
音楽面でまず耳を引く特徴として、音楽メディアでも指摘されているのが冒頭の民族音楽を思わせるコーラスです。そこから井口理の高音域を生かした歌声、常田大希の低くざらついた声が重なり、後半では音の密度とノイズ感が強まっていきます。
King Gnuらしいのは、一つの声で主人公の心情を説明するのではなく、異質な声色を一曲の中で共存させているところです。
私はこの構造が、『攻殻機動隊』の「一人の人間をどこまで一つの存在として定義できるのか」という問いとよく噛み合っていると感じます。
2026年版の舞台は西暦2029年。全身義体のサイボーグである草薙素子たちは公安9課として電脳犯罪に対峙し、やがて人間の記憶や意識を操る正体不明のハッカー「人形使い」へ接近していきます。人形使いは自らを「情報の海で発生した生命体」と称する存在です。
身体が人工物となり、記憶が操作され、ネットワークの中から新しい生命さえ生まれるかもしれない世界で、「私」を成立させているものは何なのか。
「GO GHOST」の題名や歌詞に自己認識、身体、記憶を思わせる言葉が配置されていることから、筆者はこの楽曲を、そうした作品の問いへ接続するOPだと解釈しています。
ここは公式設定と筆者の読みを分けておく必要があります。「作品のために書き下ろされたから、この意味である」とまでは一次情報から断定できません。
しかし、ノンクレジットOPが公安9課の活動を押し出す疾走感のある映像として設計され、その入口に複数の声と緊張感を持つ「GO GHOST」が置かれている。その組み合わせ自体には、かなり明確な効果があると考えられます。公式もPV第5弾を「疾走感あふれる映像」と説明しています。

King Gnuと『攻殻機動隊』の関係は?常田大希と『SAC_2045』が出発点
「King Gnuは以前から『攻殻機動隊』に関わっていたのか」という疑問には、少し注意して答える必要があります。
King Gnu名義での『攻殻機動隊』主題歌参加は2026年版ですが、常田大希とMILLENNIUM PARADEの関係は2020年の『攻殻機動隊 SAC_2045』までさかのぼります。
『SAC_2045』シーズン1では、millennium paradeの「Fly with me」がOPテーマに採用されました。作詞はermhoi、作曲・編曲は常田大希です。
このとき常田大希は公式コメントで、millennium paradeが作ろうとしている世界観は『攻殻機動隊』から大きな影響を受けているという趣旨を明かしています。
さらに「Fly with me」について、『SAC_2045』の主題歌であると同時に自分たち自身の主題歌でもあるほど思い入れがあると説明していました。
この一次情報は、2026年の「GO GHOST」を見るうえで大切です。
単に人気バンドと人気アニメを組み合わせたタイアップではなく、常田大希の創作側が以前から『攻殻機動隊』の影響を公言していたことが確認できるからです。
関係は2020年だけで終わりません。
2022年の『攻殻機動隊 SAC_2045』シーズン2では、millennium paradeがOP「Secret Ceremony」とED「No Time to Cast Anchor」の双方を担当しました。さらにオープニングシーケンスはPERIMETRONが制作し、佐々木集氏と神戸雄平氏が監督を務めています。
つまり流れを整理すると、2020年はMILLENNIUM PARADEによるOP、2022年はMILLENNIUM PARADEによるOP・EDとPERIMETRONによる映像、そして2026年はKing GnuによるOPとMILLENNIUM PARADEによるEDです。
ここで興味深いのは、2026年版が過去の成功例をそのまま繰り返していないことです。
もし継続性だけを優先するなら、今回もMILLENNIUM PARADEにOPとEDをまとめて任せる方法は考えられたでしょう。
実際には、入口をKing Gnu、出口をMILLENNIUM PARADEへ分けました。
同じ常田大希を接点にしながら、表現する集団を変えた。
私はこの点に2026年版らしい更新性を感じます。
『攻殻機動隊』そのものが、1989年の士郎正宗による原作から、1995年の押井守監督による劇場アニメ、『STAND ALONE COMPLEX』『ARISE』『SAC_2045』など、制作陣や表現方法を変えながら展開してきたシリーズです。2026年版もサイエンスSARUという新たな制作体制で原作へ向き合っています。
同じ核を持ちながら、器を変えることで別の表現になる。
このシリーズ史と、常田大希がKing GnuとMILLENNIUM PARADEという異なる創作単位で参加する構図には、偶然以上に面白い響き合いがあります。
ED「Blue」はどんな曲?Saya GrayとDaniel Caesarとの共作
EDテーマは、MILLENNIUM PARADE feat. Saya Gray, Daniel Caesar「Blue」です。
ED担当は2026年6月11日に正式発表され、「Blue」は初回放送翌日の7月8日午前0時から配信されました。MILLENNIUM PARADEにとって約2年ぶりの新曲です。
制作経緯には「GO GHOST」と異なる面白さがあります。
公式発表によれば、「Blue」の制作は発表のおよそ3年前、常田大希とカナダ系日本人アーティストのSaya Grayがスタジオに入ったところから始まりました。その後、Daniel Caesarが参加して完成しています。
常田は公式コメントで、Saya Grayと作り始めた曲に、旅先で出会ったDaniel Caesarが加わって完成した経緯を説明し、二人の才能とフルバージョンの仕上がりへの期待を語っています。
Saya Grayも、Daniel Caesarと常田との制作について、異なる世界観や文化が交わることへの高揚をコメントしました。
ここでは、当事者が語った制作意図と筆者の考察を分けて考えることができます。
公式情報として確認できるのは、国境を越えた共同制作であり、約3年前から曲作りが進んでいたことです。
筆者として注目したいのは、アニメのEDとして発表されるよりかなり前から、この楽曲の時間が動き始めていた点です。
「GO GHOST」は作品タイトルに直結する「GHOST」という語を掲げ、OP映像では公安9課の活動へ視聴者を一気に導きます。
対して「Blue」は、Saya GrayとDaniel Caesarという異なる音楽文化を持つアーティストが参加し、そこへ2026年版『攻殻機動隊』のEDという新たな文脈が重ねられました。
配信クレジットを見ると、Saya Grayはボーカルとエレクトリックベース、Daniel Caesarはボーカル、常田大希はギターとマンドリンを担当。さらに新井和輝、石若駿、宮川純らも演奏陣として記載されています。
一人の作家がすべてを閉じた形で作るのではなく、異なる演奏者や声が接続されて成立する曲です。
その性質は、ネットワーク上で異なる存在が接続され続ける『攻殻機動隊』の世界と、結果としてよくなじみます。
ノンクレジットED映像について、公式は「テクノロジーの進化の歴史」を想起させる内容と説明しています。
この説明を踏まえると、OPとEDには明確な視点の差が見えてきます。
OPは草薙素子や公安9課という人物・組織の現在へ視聴者を引き込み、EDはより長い時間軸から技術文明の蓄積へ視線を広げる。
私はこの対比こそ、同じ常田大希が関わる二曲をあえて別プロジェクトへ分けたことで生まれた面白さだと考えています。

なぜKing GnuとMILLENNIUM PARADEをOP・EDに分けた構成が効いている?
ここからは、公式情報と楽曲・映像の特徴を踏まえた筆者の考察です。
2026年版で最も興味深いのは、常田大希が再び『攻殻機動隊』に参加したことだけではありません。
『SAC_2045』時代とは異なる形へ、参加方法そのものが組み替えられたことです。
本編の劇伴についても、音楽監督・岩崎太整氏は制作コンセプトを「音の公安9課」と表現し、複数の才能を集めて作品を音楽面から支える方針を明かしています。
したがって2026年版の音楽は、大きく三つの役割で見ると整理しやすくなります。
本編の物語そのものを支える岩崎太整氏らの劇伴。
一話の入口で人物と事件へ視聴者を送り込むKing Gnu「GO GHOST」。
そして見終えたあと、テクノロジーと時間へ視野を広げるMILLENNIUM PARADE「Blue」。
私は、ここに「内側」と「外側」という一度だけ押さえておきたい対照を感じています。
「GO GHOST」は井口理と常田大希という質感の異なる声を重ね、歌詞も自己の輪郭をめぐる方向へ近づいていく。草薙素子という一人の存在の内側へ潜っていくような音楽です。
「Blue」は複数の国や文化的背景を持つ音楽家が接続して完成し、ED映像は技術の歴史という大きな時間へ広がっていく。
こちらは一個人から離れ、人間を取り囲むネットワークや文明の外側へ目を向ける曲として受け取れます。
『攻殻機動隊』では、個人と社会を切り離すことができません。
全身義体の草薙素子であっても、公安9課という組織に属し、国家や企業、ネットワーク、人形使いと関係を結ぶことで物語が動きます。
一方で、どれほど巨大なネットワークにつながっても、「自分は自分なのか」という問題は消えません。
その二方向をOPとEDが別々に担当している、と私は見ています。
そして音楽記事としてもう一つ見逃せないのが、King Gnuがあくまで四人のバンドであることです。
常田大希の作詞・作曲だけを見れば、「常田大希の曲」と短く説明できます。しかし実際のクレジットは編曲がKing Gnuです。
井口理の声、常田大希の声、勢喜遊のリズム、新井和輝の低音が集まって初めて、King Gnuとしての「GO GHOST」が成立します。
音楽メディアによる分析でも、井口の高音、常田の声の重なり、マイナー調の旋律やリズムが楽曲の個性として挙げられています。
『攻殻機動隊』では、「一個体とは何か」という問いが繰り返されます。
それに対しバンドは、複数の人間が集まりながら、一つの固有名を持つ存在です。
King Gnuという「複数でありながら一つ」の表現主体が、ゴーストと個体の境界を問う作品の入口を担当する。
これは制作側が明言した意図ではなく、あくまで筆者の解釈です。
ただし、常田一人の存在だけで主題歌を説明せず、「誰の声が入り、誰の演奏が重なってKing Gnuになるのか」まで見ると、「GO GHOST」は作品との対応をさらに立体的に味わえると思います。
今後もう一つ注目したいのは、物語の進行によってOPの印象が変化するかどうかです。
2026年9月4日時点で公式サイトには第9話までの情報が掲載され、人形使いをめぐる物語も進行しています。
アニメのOPは、初回に見たときと、登場人物の背景や物語上の意味を知ったあとでは、同じ映像でも見え方が変わります。
これは校正の仕事で、文章を読み返すたびに最初は気づかなかった語の配置が浮かび上がる感覚にも少し似ています。
特に『攻殻機動隊』は、記憶や認識そのものを物語の材料とする作品です。
「GO GHOST」が放送終了後にどのような意味を持つ主題歌として記憶されるのかは、初動のチャート成績とは別の軸で見届ける価値があるでしょう。
『攻殻機動隊』2026年版OP・ED主題歌まとめ
2026年版『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』のOPは、King Gnu「GO GHOST」です。2026年7月5日に起用が発表され、7月29日に配信。8月4日にはアニメ本編を再構成したMVも公開されました。
EDはMILLENNIUM PARADE feat. Saya Gray, Daniel Caesar「Blue」で、7月8日に配信されています。制作は発表のおよそ3年前に常田大希とSaya Grayによって始まり、後にDaniel Caesarが参加しました。
両曲を結ぶ常田大希と『攻殻機動隊』の関係は、2020年の『SAC_2045』OP「Fly with me」、2022年シーズン2のOP・EDまでさかのぼります。
今回のポイントは、その関係を同じ形で繰り返さなかったことです。
King GnuをOP、MILLENNIUM PARADEをEDへ配置し、過去との連続性を保ちながら音楽の役割を分けた。
私は、この「受け継ぎながら同じものにはしない」姿勢こそ、何度も異なる作り手によって更新されてきた『攻殻機動隊』というシリーズにふさわしい選択だと考えています。
よくある質問
『攻殻機動隊』2026年版のOPは誰が歌っている?
King Gnuです。楽曲名は「GO GHOST」で、常田大希が作詞・作曲、King Gnuが編曲を担当しています。
2026年7月5日にOP起用が発表され、7月29日にデジタル配信されました。
『攻殻機動隊』2026年版のEDは何?
MILLENNIUM PARADE feat. Saya Gray, Daniel Caesarによる「Blue」です。
2026年7月8日に配信され、ノンクレジットED映像ではテクノロジーの進化の歴史を想起させる映像が展開されています。
King Gnuは以前にも『攻殻機動隊』の主題歌を担当していた?
King Gnu名義では2026年版の「GO GHOST」が今回の参加ですが、常田大希が主宰するMILLENNIUM PARADEは以前からシリーズに参加しています。
2020年の『攻殻機動隊 SAC_2045』では「Fly with me」、2022年のシーズン2ではOP「Secret Ceremony」とED「No Time to Cast Anchor」を担当しました。
主な確認資料
本稿の放送日時、OP・ED、ジャケット公開日、MV、ストリーミング実績については『攻殻機動隊』公式グローバルサイトおよびTVアニメ公式サイトを中心に確認しました。
「Blue」の制作経緯と常田大希・Saya GrayのコメントはTVアニメ公式発表、過去のMILLENNIUM PARADEと『SAC_2045』の関係は『攻殻機動隊 SAC_2045』公式サイトを参照しています。
「GO GHOST」のサウンドに関する記述では、公式のOP・PV説明とともに、楽曲構造を論じた音楽メディアの記事も参照し、公式事実と筆者による解釈を区別しました。
執筆:篠原千鶴(アニメ愛好家・フリーランス校正者)
幼少期からジャンルを問わずアニメ作品に触れ、現在も毎クール新作を継続して鑑賞しています。フリーランス校正者として培った言葉への観察眼を生かし、公式情報と作品描写を切り分けながら、台詞・演出・物語の背景を丁寧に読み解いています。

