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『氷の城壁』登場人物・キャラクター一覧|関係性がわかる相関図ガイド

氷川小雪・安曇美姫・雨宮湊・日野陽太を中心に友情と恋愛の関係が広がる高校生活 キャラクター・声優

『氷の城壁』の登場人物は、氷川小雪・安曇美姫・雨宮湊・日野陽太の4人を中心に、友情、恋愛、過去の人間関係が複雑に交差するのが特徴です。

相関図で整理すると、「誰が誰を好きなのか」だけでなく、誰の前なら本音を見せられるのか、誰が過去を知っているのかまで見えてきます。

『氷の城壁』キャラ相関図|主要人物の関係はどうなっている?

『氷の城壁』の人物関係を理解するなら、まず氷川小雪、安曇美姫、雨宮湊、日野陽太の4人を押さえておけば、大きな流れをつかめます。

集英社も第1巻を、小雪、美姫、ミナト、陽太という4人を中心とする「青春混線ストーリー」と紹介しています。

主な関係を簡潔に整理すると、次の通りです。

登場人物 主な関係
氷川小雪 × 安曇美姫 同じ団地で育った幼なじみ・親友
安曇美姫 × 雨宮湊 中学時代から交流がある
雨宮湊 × 日野陽太 中学時代からの親友
日野陽太 → 安曇美姫 長年思いを寄せている
氷川小雪 × 雨宮湊 高校で距離が急速に縮まる
氷川小雪 × 日野陽太 高校生活を通して親しくなる
氷川小雪 × 五十嵐翼 中学時代の同級生・元交際相手
氷川小雪 × 霜島月子 高校で新たに築く友人関係
栗木桃香 → 雨宮湊 後輩の桃香が湊に思いを寄せる
安曇美姫 × 安曇優希 姉弟
氷川小雪 × 安曇優希 幼少期から互いを知っている
熱川秋音 × 熱川真夏 姉妹

この関係だけを見ると、恋愛の矢印が入り組んだ青春作品のように思えるかもしれません。

しかし、『氷の城壁』を特徴づけているのは、恋愛関係と同じくらい「他人からどう見られているか」という問題が大きいことです。

小雪は無表情で人との距離を取るため、「冷たい人」と受け取られやすい人物です。

一方、美姫は華やかで周囲から好かれやすく、本人の内面よりも先に「人気者」というイメージが作られていきます。

湊は誰とでも自然に接する「距離ナシ男子」に見えますし、陽太は穏やかで優しい人物として映ります。

ところが物語を追うほど、それぞれの表面的な印象と、本当に抱えている感情との間にずれがあることが分かります。

『氷の城壁』の相関図は、人間関係そのものより、「相手によってその人の見え方がどう変わるのか」を読むための地図でもある。

私は、この視点を持って人物関係を追うと、本作の台詞や沈黙が格段に味わいやすくなると感じています。


『氷の城壁』主要キャラクター4人はどんな人物?

氷川小雪(ひかわ こゆき)/CV:永瀬アンナ

氷川小雪は、『氷の城壁』の主人公です。

人と接することを得意とせず、高校では必要以上に周囲と関わらない生活を送っています。

集英社の作品紹介でも、「人と接するのが苦手で、他人との間を壁で隔ててしまう」少女として描かれています。

周囲からは無愛想で近寄りがたい人物に見られていますが、その内面まで冷淡なわけではありません。

むしろ、人の言葉や反応を細かく受け取りやすいからこそ、傷つかないために距離を取っている側面があります。

そんな小雪が最初から比較的自然体でいられる相手が、幼なじみの安曇美姫です。

そこへ高校生活の中で雨宮湊が入り込みます。

湊は、小雪が作る距離を深刻に恐れることなく話しかけてくる人物です。

第2巻の公式紹介でも、小雪が「ぐいぐいと距離を詰めてくるミナトに困惑する」様子が示されており、二人の距離の変化が物語の大きな軸になっています。

小雪を見るときに注意したいのは、「人付き合いが苦手だから閉じこもっている」とだけ理解しないことです。

過去の人間関係を知るほど、彼女の壁は単なる人嫌いではなく、不用意に傷ついたり、相手を傷つけたりしないための慎重さとして見えてきます。

私には、小雪の成長は「明るい性格になる物語」には見えません。

人付き合いが得意になるというより、誰と、どの程度の距離で関わるのかを、自分自身で選べるようになっていく物語として読む方が自然です。

安曇美姫(あずみ みき)/CV:和泉風花

安曇美姫は、小雪と同じ団地で育った幼なじみであり、親友です。

華やかな容姿と明るい雰囲気から学校でも目立ちやすく、人から好かれやすい存在として描かれます。

小雪とは対照的ですが、二人には意外な共通点があります。

小雪は「冷たい人」と決めつけられ、美姫は「華やかで完璧な人気者」のように受け取られる。

つまり、どちらも本人が言葉にする前に、周囲から人物像を決められやすいのです。

この共通点を踏まえると、小雪と美姫が長い友情を築いてきた理由も理解しやすくなります。

二人は性格が似ているわけではありません。

それでも、周囲が知る姿とは別の顔を互いに知っています。

美姫は湊や陽太とも中学時代から交流があり、特に陽太との関係は物語の重要な軸になります。

陽太は美姫に思いを寄せていますが、美姫にとって陽太は、恋愛感情だけで切り替えられる相手ではありません。

長く続いてきた関係だからこそ、「好き」という言葉によって今までの距離が変わってしまう重さがあります。

青春恋愛作品では、告白を関係の到達点として描くことがあります。

しかし『氷の城壁』では、気持ちを伝えた後に、それまでの関係をどう作り直すかにも丁寧に時間を使います。

そこが、美姫と陽太の関係を単純な片思い以上のものにしています。

雨宮湊(あまみや みなと)/CV:千葉翔也

雨宮湊は、小雪とは正反対に見える人物です。

自分から人へ話しかけ、相手との距離を自然に縮めます。

集英社の第1巻紹介でも、小雪の前に現れる「ぐいぐい距離を詰めてくる」男子として位置づけられています。

そのため序盤では、湊の方が人間関係に悩みが少ないように感じられます。

しかし物語を追うと、人とすぐ仲良くなれることと、自分の本音を他人に見せられることは別だと分かってきます。

湊は周囲の空気を読むことに長けています。

相手が求める反応を察し、場を険悪にしないよう振る舞える人物でもあります。

これは明らかに長所です。

一方で、相手に合わせることが習慣になるほど、「自分は本当はどうしたいのか」という問いが後回しになることもあります。

この点で、小雪と湊は単純な正反対ではありません。

小雪は距離を広げることで傷つく可能性を減らす。

湊は相手に合わせて距離を縮めることで関係が壊れる可能性を減らす。

方法は真逆ですが、どちらにも「人間関係を安全に保ちたい」という感覚を読み取れます。

私は、この似ていないようで似ている部分こそ、二人の関係を考えるうえで重要だと思います。

日野陽太(ひの ようた)/CV:猪股慧士

日野陽太は、穏やかで周囲への気遣いができる人物です。

湊とは中学時代から親しく、美姫にも長く思いを寄せています。

陽太の難しさは、「優しいこと」が必ずしも本人を楽にしてくれるわけではない点にあります。

相手を大事に思うほど、今の関係を壊したくなくなる。

気持ちを伝えたい一方で、告白した結果、相手との距離が変わってしまうことも怖い。

そのため陽太の恋愛には、近づきたい気持ちと、今のままでいたい気持ちが同時に存在しています。

これは『氷の城壁』に一貫しているテーマでもあります。

相手を思いやることは美しい。

けれど、相手を思いやるために自分の感情を永遠に隠し続ければ、今度は自分自身の気持ちが置き去りになります。

私は陽太を、「優しい男子」という役割だけではなく、他人への配慮と自分の意思表示をどう両立させるかを学ぶ人物として見ると、成長がより鮮明になると感じています。

※画像はAIによるイメージ

『氷の城壁』重要キャラクターは誰?主要4人との関係を解説

主要4人だけでも物語は成立しますが、『氷の城壁』の人物像を深くするのは、彼らの周囲にいる登場人物です。

ここからは原作中盤以降の人間関係に触れます。

大きな展開に関するネタバレを含むため、初見で物語を楽しみたい方はご注意ください。

五十嵐翼(いがらし つばさ)/CV:小林千晃

五十嵐翼は、小雪と美姫の中学時代の同級生です。

小雪とは過去に交際しており、彼女が高校で人との距離に慎重になっている背景を理解するうえで重要な人物です。

第2巻の公式紹介でも、小雪と美姫の「同中」として五十嵐が登場し、4人の関係がさらに入り組んでいくことが示されています。

また第10巻では、小雪が中学時代の元交際相手である五十嵐と再会する展開が公式に紹介されています。

ただし、翼を「小雪を傷つけた悪役」とだけ捉えると、本作の人間関係の描き方を単純化しすぎてしまいます。

『氷の城壁』では、誰かが深く傷つく出来事であっても、原因が一人の明確な悪意だけに還元されない場面が多くあります。

周囲に合わせた。

悪気なく言った。

断る雰囲気ではなかった。

互いの認識が少しずつ違っていた。

そうした小さなずれが積み重なり、後になって大きな傷として残る。

この現実的な描き方が、小雪の過去に重さを与えています。

霜島月子(しもじま つきこ)/CV:新福桜

霜島月子は、小雪が高校生活の中で新しく親しくなる人物です。

恋愛関係ではありませんが、小雪の成長を考えるうえでは非常に重要です。

小雪にとって美姫は、幼い頃から自分を知っている特別な友人でした。

言い換えれば、物語開始時点の小雪は「昔から知っている人なら安心できる」という状態に近いとも考えられます。

その小雪が、高校で出会った月子と自分自身の力で友人関係を築く。

これは、単に友達の人数が増える以上の意味を持ちます。

過去を共有していない人とも、現在の自分から関係を始められる。

その経験は、小雪の世界が広がった証拠です。

恋愛の相関図だけを追っていると見落としやすいのですが、私は月子との友情を、本作の成長物語を支える重要な線だと考えています。

栗木桃香(くりき ももか)/CV:鬼頭明里

栗木桃香は、湊に思いを寄せる後輩です。

自分の気持ちを比較的率直に表へ出し、湊との距離を縮めようとします。

桃香が加わることで、小雪と湊は「自分たちは互いをどう思っているのか」という問題から逃げにくくなります。

二人だけなら、友達なのか、それ以上なのかを曖昧なままにしておくこともできます。

しかし第三者がはっきり好意を示せば、自分自身の感情と向き合わざるを得ません。

原作では、湊と桃香が交際する展開も描かれます。

第10巻の集英社公式紹介でも、「桃香と付き合ったことを知りながらミナトへの気持ちを捨てきれない小雪」が描かれると説明されています。

ここで大切なのは、桃香を主人公たちの恋を盛り上げるためだけの「恋敵」として扱わないことです。

桃香にも、自分なりの希望があり、傷つく瞬間があり、その後の人生があります。

私は、この扱いに『氷の城壁』の誠実さを感じます。

恋愛作品では、主人公の恋が成立すると、それ以外の人物が「負けた側」として物語から薄くなってしまう場合があります。

本作では、誰かの恋がかなわなかったからといって、その人物の物語まで終わるわけではないという感覚が保たれています。

安曇優希(あずみ ゆうき)/CV:波多野翔

安曇優希は、美姫の弟です。

小雪とも幼い頃から接点があり、高校で「無口で近寄りがたい人」と見られている小雪とは別の姿を知っています。

このような人物がいることで、読者は現在の学校での評価だけから小雪を判断しなくて済みます。

美姫にとっては弟。

小雪にとっては昔から自分を知っている人物。

同じ優希でも、誰との線を見るかによって物語上の役割が変化します。

『氷の城壁』の相関図が面白いのは、このように一つの人物関係へ複数の意味が重なっていることです。

熱川秋音(あたがわ あきね)/CV:川井田夏海

熱川秋音は、優希や桃香と同世代の後輩です。

表情から感情を読み取られにくく、本人の意図とは異なる印象を持たれやすい人物でもあります。

この性質には、小雪との共通点があります。

何も言っていないのに「怖そう」「怒っていそう」と受け取られてしまう。

そこへ周囲の思い込みが重なることで、本人の人物像とは違う「キャラクター」が作られていきます。

さらに秋音の姉・熱川真夏は、小雪の中学時代に関係する人物です。

そのため秋音は、現在の高校生活だけにいる人物ではありません。

小雪の現在と過去をつなぐ接点としても機能しています。


小雪と湊の過去を知ると、相関図はどう変わる?

『氷の城壁』では、「今の人間関係」だけを見ても人物の行動を完全には理解できません。

特に小雪と湊は、それぞれ過去の経験が、現在の他人との距離の取り方に影響している人物です。

熱川真夏と小雪の中学時代

熱川真夏は、小雪の中学時代の人間関係と関わる人物です。

五十嵐翼との交際を含め、中学時代には小雪が他者との関係を慎重に考えるようになる複数の出来事が重なっています。

ただし、「この人物のせいで小雪が人を避けるようになった」と一人だけを原因にするのは適切ではありません。

本作が描くのは、もっと曖昧で現実的な傷です。

誰か一人の強い悪意ではなく、いくつもの小さな誤解、空気、気遣い不足、言葉のすれ違いが積み重なっていく。

その結果として、人と関わること自体が怖くなっていく。

小雪の「氷の壁」は、一度の大事件によって完成したというより、小さな痛みが何層も重なってできたものと考える方が、作品の描写に近いでしょう。

雨宮渚・雨宮海斗と湊の家庭

湊を理解するうえでは、学校だけでなく家庭での姿を見ることも重要です。

姉の雨宮渚、兄の雨宮海斗といった家族との関係を知ることで、学校では器用に見える湊が、なぜ人の反応や場の空気へ敏感なのかを考える材料が増えていきます。

人の機嫌を察すること。

相手に合わせること。

険悪にならないように振る舞うこと。

これらは社会生活では大きな長所です。

けれど、それが「合わせないと関係が悪くなる」という不安と結びつけば、同じ行動が防御反応にもなります。

ここで小雪と湊を並べると、非常に興味深い対称性が見えてきます。

小雪は他人から離れることで自分を守り、湊は他人へ合わせることで自分を守る。

表面上は正反対です。

それでも、どちらも人との関係が壊れることに敏感である点ではよく似ています。

※画像はAIによるイメージ

『氷の城壁』の相関図で注目したい「恋愛以外の線」とは?

『氷の城壁』を深く読むなら、相関図に「好き」という矢印だけを書かない方がよいでしょう。

私なら、人物同士の関係を次のようにも整理します。

  • 昔の自分を知っている相手
  • 現在の自分と新しく出会った相手
  • 本音を話せる相手
  • 嫌われたくない相手
  • 自分を誤解している相手
  • 自分自身が誤解している相手

たとえば、小雪にとって美姫と月子は、どちらも友人です。

しかし、その線の意味は同じではありません。

美姫は、小雪の過去を含めて長く知っている相手です。

月子は、現在の小雪と高校で出会い、そこから関係を築いた相手です。

この違いは非常に重要です。

「昔から知っているから理解してもらえる」だけだった小雪の世界に、「今から出会った人とも関係を作れる」という可能性が加わったことになるからです。

湊についても同様です。

多くの人と話せるからといって、誰にでも本音を話せるとは限りません。

陽太も、相手を思いやれるからといって、自分の希望を言葉にできるとは限りません。

美姫も、周囲から好かれているからといって、常に自分らしく振る舞えているとは限らないのです。

ここから見えてくるのは、『氷の城壁』では性格よりも「境界線の引き方」が人物を特徴づけているということです。

校正の仕事では、一つの言葉だけを切り取るのではなく、その前後にある文脈まで見なければ意味を正確につかめないことがあります。

本作の人物描写にも、それとよく似たところがあります。

小雪の沈黙だけを見れば、「無愛想」と読めます。

しかし過去を知れば、「不用意に相手へ踏み込まない慎重さ」とも読める。

湊が誰にでも声をかける姿だけを見れば、「社交的」と読めます。

けれど家庭や内面まで知れば、「場を壊さないため常に人間関係を調整している」と見ることもできます。

読み進めるほど、以前の場面の意味まで少しずつ書き換わっていく。

私は、これこそ『氷の城壁』の人物造形で特に巧みなところだと考えています。


アニメ『氷の城壁』第2期でキャラクターの関係はどう動く?

2026年9月18日時点で、TVアニメ『氷の城壁』第2期は2026年10月1日から毎週木曜23時56分よりTBS系28局で全国同時放送される予定です。

Netflixでは10月2日から先行配信され、Prime Video、Disney+、U-NEXTなどでは10月9日以降、順次配信予定と案内されています。放送時間は変更される可能性があります。

2026年9月14日には第2期第2弾PVも公開されました。

THE BEAT GARDENの公式発表によると、PVは桃香の心情から始まり、小雪に対する率直な思いや、湊へ気持ちを伝える場面などが描かれています。

公式側も、小雪、湊、桃香の関係に変化が訪れることを予感させる映像だと説明しています。

第2期オープニングテーマはTHE BEAT GARDENの「エスコート」、エンディングテーマはSuperflyの「花蔭」です。

したがって第2期では、主要4人だけでなく、桃香をはじめとする後輩世代が相関図の中で存在感を増していくと考えられます。

ここは人物関係を整理するうえで重要です。

第1期までの相関図を「小雪・美姫・湊・陽太の4人の物語」と捉えていると、第2期では人間関係が急に複雑になったように感じるかもしれません。

しかし実際には、新しい人物が単に追加されるのではなく、既に存在していた曖昧な感情を表面化させる役割を担っています。

特に桃香が湊への気持ちを明確にすることで、小雪自身も「湊をどう思っているのか」を意識せざるを得なくなります。

相関図に一本の新しい矢印が増えることで、既存の線の意味まで変わる。

この構造こそ、『氷の城壁』らしい人間関係の動かし方です。

原作は阿賀沢紅茶さんによる作品で、集英社からフルカラーコミックス全14巻が刊行されています。

最終14巻は2025年2月4日に発売され、集英社も「青春混線ストーリー、完結!」と案内しています。


考察|『氷の城壁』の相関図は「自己認識が変わる過程」を描いている

ここからは、作品を読み続けてきた立場からの私見です。

『氷の城壁』を相関図にすると、つい恋愛感情の方向を最初に確認したくなります。

誰が誰を好きなのか。

どの二人が付き合うのか。

その疑問はもちろん物語を楽しむ大きな要素です。

しかし私は、本作が本当に丁寧に描いているのは、他人との関係によって「自分はどんな人間なのか」という認識が変わっていく過程だと考えています。

小雪は「女王」のように見られます。

けれど、小雪自身が冷たい人間でありたいわけではありません。

美姫は華やかな人気者ですが、「皆から好かれる自分」だけが彼女のすべてでもありません。

湊は人付き合いが上手に見える一方、その器用さによって自分の本心が後回しになることがあります。

陽太は優しい人物ですが、優しさを失いたくないために、自分の気持ちを前へ出せなくなることがあります。

この4人に共通するのは、外から与えられた役割と、内側で感じている自分との間に差があることです。

そして、その差を埋めるのが会話です。

ただし『氷の城壁』の登場人物たちは、自分の気持ちを最初から正確に説明できるわけではありません。

勘違いをします。

相手へ気を遣いすぎます。

黙り込みます。

言わなくてもよかった一言を口にします。

逆に、一番言うべきことを言えない場合もあります。

その不完全な会話を何度も繰り返すうちに、「自分は本当はこう思っていたのか」と理解していきます。

ここに、私はタイトルである「氷」の面白さを感じます。

氷は固いものです。

壁になれば、簡単には越えられません。

けれど、氷は必ずしも叩き壊さなくても形を変えられます。

温度が上がれば、ゆっくりと溶けます。

小雪の物語も、誰かが彼女の壁を強引に壊して救う話ではありません。

美姫と話す。

湊と言い合う。

陽太と関わる。

月子と友人になる。

過去の人物と再会する。

その小さな経験が積み重なることで、小雪自身が少しずつ人との境界線を動かせるようになります。

だからこそ本作は、「人付き合いが苦手だった少女が明るくなりました」という単純な成長物語になりません。

人との距離を取ること自体を否定せず、その距離を自分の意思で選べるようになることを描いているのだと思います。

そして、壁を持っているのは小雪だけではありません。

美姫にもあります。

湊にもあります。

陽太にもあります。

形がそれぞれ違うため、序盤では同じ問題を抱えているように見えません。

ここが、本作を相関図で読む際の最も興味深い点です。

「友人」という一本の線にも、安心、遠慮、依存、罪悪感、信頼、憧れなど、複数の感情が重なります。

「好き」という矢印にも、恋愛感情だけでなく、「嫌われたくない」「今の関係を壊したくない」という怖さが含まれる場合があります。

つまり『氷の城壁』の相関図は、固定された地図ではありません。

物語が進むたびに、同じ線の意味そのものが書き換えられていく地図なのです。

私は、大人になってから読むと、この構造がいっそう身近に感じられると思います。

学生時代は、学校やクラスといった狭い共同体が生活の大部分を占めます。

そのため一度「あの人はこういう人」と思われると、そのイメージから外れることがとても難しく感じられます。

自分自身も同じです。

「私は無口だから」。

「私は人気者だから」。

「自分はいつも聞き役だから」。

「今さら違うことをしたら変に思われる」。

こうして、周囲から与えられた役割を自分でも守ろうとしてしまうことがあります。

しかし、新しい相手と出会えば、これまでとは違う自分が出てくる場合があります。

小雪にとって月子が大切なのは、その象徴でしょう。

過去をすべて知ったうえで受け入れてくれるのではありません。

今の小雪と出会い、そこから友情が始まる。

それは小雪にとって、「過去によって決まった自分だけが自分ではない」と知る機会になります。

一方、美姫や優希のように昔から小雪を知っている人物も重要です。

新しい自分だけを肯定するのではなく、昔の自分も含めてつながっている人がいる。

過去を知る相手と、現在から出会った相手。その両方との関係を持つことで、人は自分の輪郭を一つに固定しなくて済む。

ここは、『氷の城壁』を単なる恋愛漫画として読むだけでは見落としやすい、本作ならではの魅力だと私は感じています。


まとめ|『氷の城壁』登場人物は相関図で見ると関係性が分かりやすい

『氷の城壁』の中心となる登場人物は、氷川小雪、安曇美姫、雨宮湊、日野陽太の4人です。

小雪と美姫は幼なじみで、湊と陽太も中学時代から深い関係があります。

そこへ、小雪の過去に関わる五十嵐翼、高校で新しく友人になる霜島月子、湊に思いを寄せる栗木桃香、美姫の弟である安曇優希、熱川秋音らが加わり、人物関係は次第に広がっていきます。

ただし、本作の相関図で見るべきなのは恋愛の矢印だけではありません。

昔から自分を知る相手なのか、新しく出会った相手なのか。本音を見せられるのか、嫌われたくなくて取り繕ってしまうのか。

そこまで考えると、それぞれの人物が抱えている「壁」の違いが見えてきます。

2026年9月18日時点では、TVアニメ第2期が2026年10月1日から放送予定です。第2弾PVでも桃香、小雪、湊の関係が大きく動くことを予感させる内容が公開されています。

これからアニメを見る方も、原作を読み返す方も、「誰が誰を好きなのか」に加えて、誰の前で、その人物がどんな自分になれるのかを意識してみてください。

同じ台詞や沈黙でも、相関図の線に込められた意味が分かると、まったく違う表情を見せてくれるはずです。


よくある質問

『氷の城壁』の主要キャラクターは誰ですか?

氷川小雪、安曇美姫、雨宮湊、日野陽太の4人が中心です。

集英社も第1巻を、この4人による青春群像劇として紹介しています。

五十嵐翼と氷川小雪はどんな関係ですか?

五十嵐翼は、小雪と美姫の中学時代の同級生で、小雪とは過去に交際していました。

小雪が他人との距離に慎重になった背景を考えるうえで重要な人物ですが、現在の小雪を翼一人だけの影響で説明するのではなく、中学時代の複数の経験が積み重なった結果として考える方が本作の描写に沿っています。

ネタバレなしで相関図を見るなら、どこまで知れば十分ですか?

まずは「小雪と美姫は幼なじみ」「湊と陽太は以前から親しい」「美姫も湊・陽太と中学時代から交流がある」「高校で湊が小雪へ積極的に話しかける」という関係を押さえれば十分です。

桃香や五十嵐、中学時代の詳しい出来事は物語の展開そのものに関わるため、初見で楽しみたい場合は主要4人の基本関係までにとどめておくとよいでしょう。

篠原千鶴
アニメ愛好家・フリーランス校正者

本稿では、集英社が公開しているコミックス情報および2026年9月18日時点で確認できるTVアニメ関連の公式発表を基準に、作品上の事実と筆者の考察を分けて整理しています。