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『ヤニねこ』の評価・感想まとめ|面白い?読者・視聴者の反応を整理

散らかった部屋で気だるく暮らす猫の獣人と、好みが大きく分かれるアニメ作品を象徴する場面 評価・感想

『ヤニねこ』は、自堕落と不衛生を笑いに変える作風が刺さる人には面白く、苦手な人には明確に向かない作品です。

2026年8月23日7時台に確認したFilmarksでは、1,865件のレビューで平均評価3.6。実際の評価と公式の各話情報を突き合わせると、賛否を分けているのは「汚さ」「成長しない主人公」「かわいい外見との落差」という、本作の中心そのものでした。Filmarks

『ヤニねこ』の評価は高い?Filmarks3.6の内訳

結論から申し上げると、『ヤニねこ』は極端な低評価作品ではないものの、万人向けの高評価作品とも言いにくい位置にあります

Filmarksの『ヤニねこ』作品ページでは、2026年8月23日7時台の確認時点で平均3.6、レビュー1,865件。評価分布は4.1~5.0が28%、3.1~4.0が47%、2.1~3.0が14%、1.0~2.0が11%でした。Filmarks

3.1以上を合計すると75%です。

ただし、「75%の人が高評価」と読み替えるのは適切ではありません。3.1を高評価と考えるか、中程度と考えるかは利用者によって異なるため、正確には「3.1以上を付けたレビューが全体の75%」と捉えるべきでしょう。

本稿では、この全体数値とは別に、確認時に作品ページ先頭へ表示されていた直近10件のレビューも読み比べました。

その10件では、3.5~5.0が8件、1.0が2件でした。もちろん10件だけで1,865件全体を代表できるわけではありませんが、賛否の具体的な中身を見る材料にはなります。Filmarks

さらに興味深いことがあります。

今回確認した10件のうち、「汚い」「不衛生」といった意味の表現を明示的に含むものが6件ありました。その6件のうち5件は3.5以上、1件は1.0です。Filmarks

つまり、「汚いと思う人」と「面白いと思う人」が別々に存在するのではありません。汚いと認識したうえで高い点数を付ける視聴者が実際にいるのです。

ここが『ヤニねこ』の評価を理解するうえで、最も重要なところでしょう。

今回確認した範囲を整理すると、評価が分かれる主な理由は次の通りです。

  • 高評価につながる点:自堕落な生活を中途半端に美化せず、徹底してギャグにしている
  • 高評価につながる点:題材の汚さに反して、映像や声優陣の演技には丁寧さがある
  • 高評価につながる点:複雑な物語を追わず、短いエピソードを気軽に楽しめる
  • 低評価につながる点:部屋や生活習慣など、不衛生な描写そのものが苦手
  • 低評価につながる点:主人公の金銭感覚や生活態度に共感できない
  • 低評価につながる点:かわいらしい猫の外見と、だらしない行動の落差を不快に感じる

注目したいのは、長所と短所が別々に存在していないことです。

高く評価されている特徴そのものが、低評価の理由にもなっています。

これは平均点だけを眺めていても見えにくい、『ヤニねこ』らしい評価構造です。

なお、Filmarksの点数やレビュー件数は今後変動します。本稿の数値は2026年8月23日7時台に確認した時点のものです。

(確認元:Filmarksアニメ「ヤニねこ」作品ページ/2026年8月23日確認)Filmarks

『ヤニねこ』はどんなアニメ?

『ヤニねこ』は、にゃんにゃんファクトリーによる同名漫画を原作としたTVアニメです。

人間と獣人が共存する世界を舞台に、タバコと酒と怠惰を好む獣人・ヤニねここと佐藤ヤニ子と、その周囲の人物たちの日常を描きます。公式サイトではヤニねこを21歳の獣人で、何よりタバコを優先し、汚れた部屋で怠惰に生活する人物として紹介しています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

TOKYO MXとBS11では2026年7月2日から毎週木曜24時30分に放送開始。AT-Xは同じ日ではなく、7月25日から毎週土曜24時30分に放送されています。

配信は7月2日から毎週木曜25時よりNetflixほかで順次開始されました。公式サイトでは、一部話数について地上波の「オンエア版」と、AT-Xおよび一部配信サービスで扱う「邪竜解放版」があることも案内されています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

(確認元:TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト「放送情報」/2026年8月23日確認)TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

原作はにゃんにゃんファクトリー、監督は木村拓さん、脚本はあおしまたかしさん、キャラクターデザインは松浦力さん、音楽は鈴木慶一さん。アニメーション制作はバイブリーアニメーションスタジオです。

ヤニねこ役は夏吉ゆうこさん。ヤクねこ役は松岡美里さん、ハメねこ役は船戸ゆり絵さん、カンサイねこ役は清水彩香さん、アルねこ役は井澤詩織さん、妹子役は本泉莉奈さんが担当しています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

公式が掲げるのは「獣人ハートフルコメディ」。

しかし、一般的な「かわいい猫たちに癒やされる日常アニメ」を想像して見ると、かなり違う作品が始まります。

かわいい外見と、かわいいとは言い難い生活。その衝突が最初から笑いの中心に置かれているアニメです。


『ヤニねこ』は何が面白い?高評価になる3つの理由

高評価側の感想を追うと、最大のポイントは「猫だからかわいい」という単純なものではありません。

汚く、情けなく、普通なら目をそらしたくなる題材を、妙に丁寧なアニメとして成立させていることが、本作ならではの面白さになっています。

今回確認したFilmarksの直近レビューには、高品質な映像だからこそ内容の汚さが際立つこと、声優陣の演技、複雑な筋を追わずに見られる日常ギャグとしての気軽さを評価する投稿がありました。Filmarks

第1話で「家賃よりタバコ」を見せる潔さ

作品の方向性は、第1話「ニャーがヤニねこにゃ」の段階でほぼ説明されています。

公式あらすじによると、ヤニねこは吸い殻を拾い、アルバイト中にタバコを吸えず苦しみ、手元のわずかな金もタバコへ回します。しかも家賃を払わず、タバコ代を優先しているため、大家との関係も悪化しています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

普通の物語であれば、この失敗は「主人公が立ち直るための出発点」になりそうです。

ところが『ヤニねこ』では、欠点を提示した直後から立派な成長物語へ切り替える気配が薄い。

この違いは非常に大きいと私は考えています。

主人公に好感を持たせるため、「本当は誰より優しい」「誰にも言えない立派な目標がある」といった説明を早々に足すのではなく、まず駄目な部分を駄目なまま見せるからです。

第1話のFilmarksコメント欄でも、途中で見るのが厳しくなったという反応がある一方、作品の強烈な個性を楽しむ反応も確認できます。第1話だけで、その後も付き合える作品かどうか判断しやすい設計と言えるでしょう。Filmarks

私はこの「視聴者に好かれるよう主人公を取り繕わない姿勢」が、本作の第一の強みだと見ています。

合わない人には早い段階から合いません。

しかし、合う人にとっては「こんな主人公で本当に進めるのか」という驚き自体が次のエピソードを見る動機になります。

第5話と第6話でも「改善しない」が繰り返される

この構造は第1話だけではありません。

第5話「ニャーたち秘境に行くにゃ」では、妹子による禁煙作戦が始まり、隠したタバコも見つけたタバコも没収されます。

それでもヤニねこは諦めない、という流れが公式あらすじで示されています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

続く第6話「ニャーの夏が始まって終わるにゃ」では、ライターのガスが切れたため、消えかけた火を次のタバコへつなぎ続ける行動まで描かれます。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

(確認元:TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト「STORY」第5話・第6話/2026年8月23日確認)TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+1

この第1話、第5話、第6話を並べると、本作の笑いの型が見えてきます。

「改善する機会が来る→普通なら改める→ヤニねこは改めない」という反復です。

ここで重要なのは、単に同じギャグを繰り返していることではありません。

一般的なドラマでは、何度も同じ失敗をすれば「そろそろ成長しなければならない」という圧力が物語の中に生まれます。『ヤニねこ』は、その圧力そのものをかわして日常を続けていく。

私はこの点に、本作の独特な安定感を感じます。

何かを達成するために翌週があるのではなく、相変わらず駄目な人物が相変わらず生活していること自体が翌週を見る理由になるのです。

※画像はAIによるイメージ

「作画の無駄遣い」が褒め言葉になる

Filmarksの直近10件では、5.0を付けたレビューの一つが、汚い題材を高い映像品質で描くことで、かえって汚さが強く感じられる点と声優陣の演技を評価していました。

4.8のレビューでも、映像がきれいなぶん内容の汚さが際立つことや、気楽に見られる日常ギャグであることが肯定的に受け止められています。Filmarks

ここには、アニメ化の意味があります。

粗雑な生活を粗雑な映像で見せれば、作品全体まで雑に見えかねません。

しかし人物の表情や動き、背景、声の演技などを丁寧に積み上げると、どうしようもない出来事だけが妙に鮮明に浮かびます。

高級な器にジャンクフードを盛り付けるようなものです。

題材と制作熱量が釣り合わない。その不釣り合いまで笑いになるのが、『ヤニねこ』のアニメ版の面白さでしょう。

原作側もアニメ化発表時、届いた脚本やキャラクターデザイン、作画、OP・EDの品質に触れ、制作陣の取り組みへの驚きをコメントしています。したがって、「だらしない内容を制作側が真剣に映像化する」という落差は、作品の成立そのものと深く結び付いています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

夏吉ゆうこさんの演技と「猫だから許せる」の境界

ヤニねこ役の夏吉ゆうこさんも、公式コメントで、問題のある行動をするのに猫の姿だから受け止められるのかもしれない、という趣旨の印象を語っています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

2026年6月5日に公開された公式インタビューでは、ヤニねこのような役を演じることへのやりがいや、アフレコで意識したことについても語られました。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

(確認元:TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト「ヤニねこ役・夏吉ゆうこさん インタビュー」2026年6月5日公開/2026年8月23日確認)TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

ここで「猫」という設定は、単なるデザインではありません。

写実的な人間が同じことをしていれば生活問題の生々しさが前面に出る場面でも、猫の獣人へ置き換えることで、視聴者との間にフィクションとしての距離を作ることができます。

私は、キャラクターのかわいさが不快感を消しているのではなく、不快感をぎりぎりコメディとして眺められる距離に調整していると考えています。


『ヤニねこ』が低評価になる理由は?最大の壁は「汚さ」

低評価になる理由は複雑ではありません。

不衛生さや自堕落さを笑いへ変換できなければ、本作の中心的な魅力がそのまま苦痛になります。

Filmarksで今回確認した直近10件には1.0評価が2件あり、その一つでは、作品を汚いと感じ、面白さを見いだせないという趣旨の感想が投稿されていました。

一方で、3.5を付けたレビューでも不衛生さに触れ、食事中の視聴には向かなかったという反応が見られます。Filmarks

つまり、「汚い」と感じるのは低評価者だけではありません。

高評価者も同じものを見ています。

違いは、不快な特徴をギャグの一部として受け止められるかどうかです。

この構造は、先ほど触れた直近10件の小規模な集計にも表れています。「汚い」「不衛生」に当たる表現を明示した6件のうち5件が3.5以上だったことは、本作において「汚さ=即低評価」ではないことを端的に示しています。Filmarks

もちろん、わずか10件ですから統計的な結論にはできません。

それでも、同じ特徴を見て5.0を付ける人と1.0を付ける人がいるという事実は、『ヤニねこ』の賛否を説明するうえで平均3.6という数字以上に分かりやすい材料です。

かわいい外見は「万人向け」にするためではない

猫の姿なら、普通の人間より親しみやすく見える。

そのため一見すると、『ヤニねこ』の猫要素は作品を柔らかくするためにあるようにも思えます。

しかし、私はむしろ逆だと考えています。

猫が一般に持たれる「かわいい」「きれい好き」といったイメージと、ヤニねこの生活との距離が大きいからこそ、違和感が増幅されるのです。

Filmarksには、実際の猫が持つ印象との違いに抵抗を覚え、低い評価を付けたレビューもあります。Filmarks

一方で夏吉ゆうこさんは、猫だからこそ問題行動までどこか笑えてしまうという趣旨のコメントをしています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

同じ「猫」という仕掛けが、片方の視聴者には緩衝材として働き、もう片方には違和感を大きくする。

かわいさは万人受けのための装飾ではなく、賛否をさらに鮮明にする装置なのだと思います。

食事中の「ながら見」には注意したい

『ヤニねこ』は複雑な伏線を追い続けるタイプの作品ではなく、日常の小さな出来事を積み重ねるコメディです。

実際、Filmarksには、重いストーリーを追わず気軽に見られることを高く評価する感想があります。Filmarks

その意味では、休憩時間のながら見に向いています。

ところが、不衛生な描写があるため、食事をしながら見る作品としては相性が悪いという反応も確認できます。

頭はあまり使わず見られるのに、食卓では気軽に流しにくい。

この少し矛盾した特徴は、初めて見る方にはかなり実用的な判断材料でしょう。


『ヤニねこ』はどんな人なら面白い?見る前の判断基準

『ヤニねこ』が合うかどうかは、比較的早く判断できる作品です。

駄目な人物の生活を「改善させたい」と思うより先に、「またやっている」と笑える方なら相性が良いでしょう。

具体的には、ブラックユーモア、自堕落な登場人物、品の良さをあえて外した日常ギャグ、内容と作画品質の落差を楽しめる方には勧めやすい作品です。

反対に、不衛生な場面そのものが苦手な方、主人公には最低限の模範性や成長を求める方、かわいい動物キャラクターに清潔で穏やかな世界を期待する方には、かなり厳しい可能性があります。

第1話の公式あらすじだけでも、吸い殻、金欠、家賃滞納、タバコ優先の生活が示されています。最初の1話を見て強い不快感が先に立つのであれば、「もう少し見れば普通の癒やし系になる」と期待するより、そこで相性を判断したほうがよいでしょう。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

原作とアニメの違いは「声・動き・時間」

原作漫画とアニメの違いについては、本記事では評価判断に必要な範囲だけ触れておきます。

漫画では、読者自身が読む速度を決められます。

一方、アニメでは声、動き、効果音、間が一定の時間を伴って提示されます。

この違いによって、不衛生さが漫画以上に生々しく感じられる人もいれば、声優の演技や間が加わることでギャグとして受け止めやすくなる人もいるでしょう。

今回確認したFilmarksレビューでも声優陣を高く評価する投稿があり、アニメ化によって付加された「演技」が作品評価の一部になっていることは確認できます。Filmarks

私が日常ギャグを見る際に特に注目するのは、大声を出す瞬間よりも、どうしようもない台詞を登場人物がどれほど普通の日常として話しているかです。

登場人物自身が「いま面白いことをしています」と意識しすぎると、笑いは説明的になります。

『ヤニねこ』では、本人たちにとってはかなり真剣な生活であることと、それを外側から見る視聴者の温度差が笑いを生む。この構造は、声が付くアニメと相性の良い部分だと考えます。

OP・EDは本編以外の魅力として押さえる程度でよい

アニメ版のオープニングテーマは忘れらんねえよの「なんもねえ」、エンディングテーマはネクライトーキーの「煙とブルー」です。

いずれも2026年5月31日に公式発表されました。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

(確認元:TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト「オープニングテーマは忘れらんねえよ『なんもねえ』、エンディングテーマはネクライトーキー『煙とブルー』に決定!」2026年5月31日公開/2026年8月23日確認)TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

FilmarksにはOP映像を評価した感想や、映像から別作品を連想して楽しんでいる投稿もあります。Filmarks

ただし、本作が面白いかどうかを判断する中心は、あくまでヤニねこたちの日常です。

OPの元ネタ探しは楽しい副次的な鑑賞法ではありますが、「『ヤニねこ』は面白いのか」という検索意図に対しては、本編の自堕落さと不衛生さを笑えるかどうかのほうがはるかに重要です。

※画像はAIによるイメージ

『ヤニねこ』の賛否から見える作品の本質|筆者の考察

ここからは、確認できた事実を踏まえた私見です。

私が『ヤニねこ』で最も面白いと感じる設計は、「欠点がある主人公」ではなく、「欠点を直すことが物語の目的になっていない主人公」を置いたことです。

第1話では家賃よりタバコを優先する。

第5話では妹子から禁煙を迫られる。

第6話ではライターが使えなくなっても、消えかけた火を次へつなごうとする。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+2TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+2

普通なら、これだけ改善の機会が続けば、どこかで「主人公が少し立派になりました」という成果を置きたくなるでしょう。

『ヤニねこ』は、そこを簡単にはゴールにしません。

この「改善しない」という姿勢は、単なる怠惰の肯定とも少し違います。

作中では金銭面や周囲への迷惑が笑いとともに描かれており、理想的な生き方として提示されているわけではないからです。

むしろ視聴者は、「それは駄目だろう」と分かった状態で眺めています。

駄目だと分かっている作者と、駄目だと分かっている視聴者の間で、どこまで具体的に駄目さを描けるかを競うような笑いになっているのです。

「成長しない主人公」は、なぜ妙に落ち着くのか

多くの物語では、主人公には目標があります。

勝利する、成長する、夢をかなえる、過去を乗り越える。

それは物語として非常に力強い構造ですが、視聴する側にも「次は前へ進むはずだ」という緊張を生みます。

『ヤニねこ』は、その反対側にあります。

大きく前進しない。

同じ失敗をする。

周囲に怒られる。

それでも翌日が来る。

ここには、成長物語とは違う種類の安定があります。

私はこれを「頑張らなくてもいいという励まし」とまで美しくまとめる必要はないと思っています。作中の生活を現実で推奨する理由はありません。

ただ、完成されていない人物が、完成されないまま物語の中に居場所を持っていることには独特の安心感があります。

今のアニメ作品には、緻密な伏線、巨大な世界観、強い目的、人物の成長を魅力とする作品が数多くあります。

その中で『ヤニねこ』は、進歩の反対側から日常を描く。

これは単なる「下品な猫アニメ」という説明だけでは拾いきれない、本作の重要な特徴だと考えています。

かわいさと汚さの組み合わせは「免罪符」ではない

もう一つ、私が重要だと思うのは、猫のかわいさを問題行動の免罪符として扱わないことです。

かわいいから何をしても許される、という構造だけなら、作品はもっと簡単に万人向けへ寄せられたはずです。

しかし実際には、Filmarksで1.0を付ける視聴者もいます。Filmarks

猫にしたことで不快感が消えたのではなく、不快な行動とかわいい外見が同時に存在するようになった。

この二重性こそが強いのです。

夏吉ゆうこさんが公式コメントで触れている「猫だから受け止められるのかもしれない」という感覚も、この境界を端的に示しています。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

私は、ここに『ヤニねこ』のキャラクターデザイン上の巧さを感じます。

かわいい外見は毒を完全に薄める砂糖ではありません。

毒の味を残したまま口に運べる形へ変える包み紙に近いのではないでしょうか。

喫煙を格好よく見せる作品なのか

タイトル通り、喫煙は作品の中心的な要素です。

ただし、確認できる描写から『ヤニねこ』を単純な喫煙礼賛と位置付けるのは適切ではないでしょう。

第1話では生活費よりタバコを優先する姿が描かれ、第5話では妹子が禁煙させようとし、第6話では火を絶やさないため極端な行動へ出ます。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+2TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+2

いずれも「格好いい喫煙者」を理想化するより、タバコ中心で生活の優先順位が崩れている人物をコメディとして見せる方向に近いものです。

Filmarksの直近レビューにも、本作を見たうえで自分はタバコを吸わないだろうという趣旨の反応が確認できます。Filmarks

したがって、作品内の喫煙表現は、視聴者によって「あるあるネタ」「情けなさ」「反面教師」と異なる形で受け取られるでしょう。

筆者としては、格好よさだけでなく情けなさまで同じ画面に置いていることが、本作の笑いを成立させていると考えています。

今後も評価が割れやすい作品だと考えられる

平均3.6という数値が今後どう変化するかは予測できません。

放送中の作品であり、レビュー件数が増えれば平均値も変わります。

ただし、私は賛否が割れる構造自体は残りやすいと考えています。

なぜなら、低評価側が苦手としている「汚さ」「自堕落さ」「生活態度」は、高評価側が面白がっている特徴でもあるからです。

ここを薄めれば、不快に感じる人は減るかもしれません。

しかし同時に、「こんなものをここまで真面目にアニメ化するのか」という本作独自の魅力も弱くなるでしょう。

『ヤニねこ』に必要なのは、万人から嫌われないよう整えることより、この作品でしか成立しない笑いを、作画・演技・テンポによって支え続けることではないでしょうか。

平均点が突出して高くなくても、「どうして好きなのか」「どうして嫌いなのか」を視聴者がはっきり説明できる作品には、強い輪郭があります。

今回確認したレビューでは、まさに好きな人も苦手な人も同じ「汚さ」を語っていました。Filmarks

これは作品の弱点であると同時に、『ヤニねこ』というタイトルを忘れにくくする強みでもあると私は考えます。


まとめ|『ヤニねこ』は「汚さを笑えるか」で評価が分かれる

『ヤニねこ』は、自堕落で不衛生な生活を、かわいい獣人と丁寧なアニメーションで本気のギャグへ変えた作品です。

2026年8月23日7時台に確認したFilmarksでは、1,865件のレビューで平均3.6。4.1~5.0が28%、3.1~4.0が47%となっていました。Filmarks

今回確認した直近10件では3.5以上が8件、1.0が2件。

さらに「汚い」「不衛生」という意味の言葉を明示したレビューが6件あり、そのうち5件が3.5以上だったことからも、汚さそのものより「汚さを笑いとして受け止められるか」が評価の分岐点になっている様子が見えます。Filmarks

第1話では家賃よりタバコを優先し、第5話では禁煙作戦に抵抗し、第6話では消えかけた火を次の一本へつなぐ。

公式の各話あらすじを追うだけでも、「改善の機会が来ても、簡単には改善しない」という作品の一貫性が確認できます。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+2TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+2

「『ヤニねこ』は面白い?」という問いへの答えは明確です。

駄目な人物が駄目なまま暮らし続けるブラックな日常コメディを笑える方には面白い。不衛生さや主人公の生活態度そのものが気になる方には向きにくい作品です。

個人的には、平均3.6という点数以上に興味深いのは、「汚い」という同じ感想から5.0と1.0の両方が生まれていることです。

好きな理由と嫌いな理由が同じ場所を指している作品は、それだけ何を描きたいのかが明確です。

『ヤニねこ』は万人から愛されるために角を丸くするのではなく、その角そのものを磨いて作品の個性にしている。

私はそこに、このアニメを語るうえで最も忘れがたい魅力があると考えています。


よくある質問

『ヤニねこ』のアニメ評価は何点ですか?

2026年8月23日7時台に確認したFilmarksでは、平均3.6、レビュー1,865件です。

評価は随時追加されるため、今後変動する可能性があります。Filmarks

『ヤニねこ』はどんな人なら面白いですか?

自堕落な人物、ブラックユーモア、不衛生さまで含めた日常ギャグ、内容と高品質な映像の落差を笑える方には向いています。

反対に、清潔感のある日常系や、主人公が着実に成長する物語を求める方には合いにくいでしょう。

『ヤニねこ』はいつから放送されていますか?

TOKYO MXとBS11では2026年7月2日から毎週木曜24時30分に放送開始しています。

AT-Xは2026年7月25日から毎週土曜24時30分、配信は7月2日から毎週木曜25時よりNetflixほかで順次開始されています。放送・配信日時は変更される場合があるため、最新情報は公式の放送情報で確認してください。TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト

主な確認元:TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト「放送情報」「STORY」「STAFF & CAST」、公式ニュース「TVアニメ化決定!2026年7月からTOKYO MXほかにて放送開始!」「ヤニねこ役・夏吉ゆうこさんのインタビューを公開!」「オープニングテーマは忘れらんねえよ『なんもねえ』、エンディングテーマはネクライトーキー『煙とブルー』に決定!」、Filmarksアニメ「ヤニねこ」作品ページ。いずれも2026年8月23日に確認しています。Filmarks+4TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+4TVアニメ『ヤニねこ』公式サイト+4

文:篠原千鶴(アニメ愛好家・フリーランス校正者)