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無職転生の超重要人物5人を解説|オルステッド・ラプラスら強者の正体と関係

オルステッドと魔龍王ラプラスを中心にバーディガーディ、ペルギウス、キシリカの因縁が数千年の歴史としてつながる場面 キャラクター・声優

結論から言えば、オルステッド、ラプラス、バーディガーディ、ペルギウス、キシリカの5人は、ヒトガミとラプラスを軸に数千年の因縁でつながっています

とりわけ重要なのは、オルステッドとラプラスが本来は敵ではなく、ヒトガミ打倒という同じ目的を別の時代で受け継いだ存在だったことです。

※この記事では『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』原作終盤、Web版、外伝『古龍の昔話』に関わる重大なネタバレを扱います。アニメで物語を追っている方はご注意ください。

無職転生のオルステッドとラプラスの関係は?まず5人を時系列で整理

『無職転生』のオルステッドとラプラスの関係を理解するには、現在の「龍神」「魔神」という肩書きだけを見るのではなく、古代龍族からルーデウスの時代までを一続きの歴史として読むことが必要です。

この記事で5人を取り上げる理由もそこにあります。ヒトガミや初代龍神は争いそのものの起点ですが、ここでは「ラプラスの使命、分裂、その後の戦争という歴史を直接経験し、現在の物語にも作用している人物」に絞りました。

人物 立場・肩書き 5人の因縁における役割
オルステッド 百代目龍神・七大列強第二位 初代龍神からヒトガミ打倒の使命を受け継ぐ
ラプラス 魔龍王から魔神・技神へ分裂 オルステッドへ力を残そうとした歴史の中心人物
バーディガーディ 不死身の魔王・闘神 闘神鎧をまとい、ラプラス分裂の原因となる戦いを経験
ペルギウス・ドーラ 甲龍王 約400年前のラプラス戦役で魔神ラプラスを封印
キシリカ・キシリス 魔界大帝 約4200年前の第二次人魔大戦を知る当事者

時系列は、次の4段階で押さえると混乱しにくくなります。

  • 古代龍族の時代:初代龍神、魔龍王ラプラス、幼いオルステッドへ続く使命が生まれる
  • 約4200年前・第二次人魔大戦:バーディガーディと魔龍王ラプラスが激突し、ラプラスが分裂する
  • 約400年前・ラプラス戦役:魔神ラプラスが戦争を起こし、ペルギウスらが封印する
  • ルーデウスの時代:オルステッドの既知の歴史に、本来存在しなかったルーデウスが現れる

第二次人魔大戦については、原作Web版第238話「二つ目」でキシリカが「4200年ほど前」に自分とバーディガーディがヒトガミに利用された経緯を語っています。ラプラス戦役が約400年前であることは、第167話「説明」でルーデウスが整理した情報から確認できます。小説家になろう+1

この時間軸が分かると、5人は単なる「強いキャラクターの一覧」ではなくなります。

ある時代の失敗が次の時代の敵味方を作り、その結果をさらに後世の人物が背負っている。そこに『無職転生』の世界史のおもしろさがあります。

また2026年8月16日放送のTVアニメ第3期第8話「空中城塞」からは、新章「ケイオスブレイカー編」が始まり、甲龍王ペルギウス・ドーラが物語の前面へ出てきました。公式キャラクター紹介でも、ペルギウスは魔神ラプラスを封印した「魔神殺しの三英雄」の一人で、12の使い魔とともにラプラス復活を警戒する人物と説明されています。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト+1

アニメ視聴者にとっても現在は、ルーデウス個人の人生から、背後にある数千年単位の世界史へ視野が広がり始める重要な段階と言えるでしょう。


オルステッドは何者?ラプラスと同じ「ヒトガミ打倒」を受け継ぐ龍神

オルステッドは、初代龍神の息子であり、百代目の龍神です。

原作Web版第166話「呼び出し」で、オルステッド自身がヒトガミを父の仇とし、ヒトガミ打倒を古代龍族の悲願だと説明したうえで、自分が百代目龍神であることを明かしています。小説家になろう

さらに第167話「説明」では、二代目以降の龍神がヒトガミを倒すために存在してきたこと、オルステッドが初代龍神の息子としてその使命を引き継いでいることが整理されています。小説家になろう

ここで重要なのは、オルステッドの行動原理を単純な「父親の復讐」だけに縮めないことです。

彼が背負うのは、古代龍族が果たせなかった仕事そのものです。

オルステッドはなぜルーデウスだけを知らなかったのか

アニメ第1期第21話「ターニングポイント2」で、オルステッドはエリス、ルイジェルド、さらにパウロまで知っていました。

ところが、ルーデウス・グレイラットについてだけは知らない様子を見せます。この描写はTVアニメ公式サイトの第21話あらすじにも明記されています。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト

その理由につながるのが、原作Web版第187話「オルステッドの真実と王都の十日間」で明かされる秘術です。

オルステッドは甲龍暦330年の冬から200年間を活動期間とし、その間にヒトガミを倒せなかった場合、あるいは途中で死亡した場合には、記憶を保持したまま開始地点へ戻されます。小説家になろう

つまり彼は、同じ時代を何度も経験しています。

誰がどこで生まれ、誰と結ばれ、どの国がどのような道をたどるか。未来を魔法のように一度だけ見通しているというより、反復した歴史を膨大な経験として記憶している人物なのです。

ところが、その記憶のどこにもルーデウスはいませんでした。

第167話「説明」でも、オルステッドは自らの記憶にルーデウス・グレイラットという人物が存在しないことを明言しています。小説家になろう

第21話を初見で見ると、オルステッドは「何でも知っている恐ろしい男」に映ります。

しかし設定を知って見返せば、あの場面ではオルステッド自身もまた、繰り返した歴史に一度も現れなかった未知の人物と遭遇しているのです。

この視点の反転は非常に巧みだと私は感じます。

ルーデウスから見ればオルステッドは既知の未来を持つ異常な存在ですが、オルステッドから見ればルーデウスこそが、長大な反復の中で初めて現れた異常なのです。

※画像はAIによるイメージ

七大列強第二位でも「無制限に最強」ではない

オルステッドは七大列強第二位の「龍神」です。

原作Web版終盤の第259話「戦いの終わり」でも、七大列強は一位「技神」ラプラス、二位「龍神」オルステッド、三位「闘神」バーディガーディ、四位「魔神」ラプラスという順序で示されています。小説家になろう

ただし、順位を単純な戦闘力ランキングとして読むのは注意が必要です。

装備、状態、相性によって戦闘結果は変わりますし、オルステッド自身にも大きな制約があります。

第187話では、時間をやり直す秘術の代償として魔力回復力を犠牲にしていることが説明されています。小説家になろう

圧倒的に強いにもかかわらず、ヒトガミとの最終局面を考えれば魔力を浪費できない。

この制約があるからこそ、オルステッドの戦いには「勝てるか」だけでなく「どれだけ消耗せず勝つか」という戦略上の緊張があります。

2026年に行われたTVアニメ第1期・第2期の名エピソード人気投票でも、第21話「ターニングポイント2」は第2位でした。オルステッドとの遭遇が長く印象に残る回であることは、公式投票の結果からもうかがえます。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト


ラプラスの正体とは?魔龍王・魔神・技神が一人から分かれた理由

『無職転生』で最も設定を取り違えやすい人物がラプラスです。

魔龍王ラプラス、魔神ラプラス、技神ラプラスは、完全に無関係な三人ではありません。

原作Web版第167話「説明」で、オルステッドは魔神ラプラスの正体を、かつての「魔龍王ラプラス」のなれの果てだと説明しています。

さらに魔龍王ラプラスは初代五龍将の生き残りであり、崩壊した龍界を脱出した後、二代目龍神としてヒトガミ打倒の術と技を研究していました。目的は、未来へ送られたオルステッドへ、それらの力を受け渡すことでした。小説家になろう

ここがオルステッドとラプラスの関係を理解する最大のポイントです。

本来の魔龍王ラプラスは、オルステッドの敵ではありません。

むしろオルステッドがヒトガミへ挑む日のために、何千年もかけて武術、魔術、技術、知識を残そうとした先達でした。

外伝『古龍の昔話』第23話「そして新たな物語へ」でも、ラプラスは未来にオルステッドが現れ、自分が用意した武術や魔術、技術、武器、知識を使ってヒトガミと戦う未来を思い描いています。小説家になろう

現在だけを見て「龍神オルステッド対魔神ラプラス」と整理すると、この関係は見えません。

両者はもともと、同じ戦いを世代をまたいで担当するはずだった存在なのです。

なぜ魔龍王ラプラスは魔神と技神に分裂したのか

転機となったのが、約4200年前の第二次人魔大戦です。

原作Web版第167話「説明」によれば、魔龍王ラプラスはこの時代に「ヒトガミの使徒となった闘神」と戦い、魂を真っ二つに割かれました。小説家になろう

分裂したラプラスは記憶を失い、それぞれ異なる一部分を引き継ぎます。

一方は、人の存在への憎悪と膨大な魔術知識を残した魔神ラプラス

もう一方は、神を倒そうとする目的と膨大な技術を残した技神ラプラスです。

この設定で私が特に重要だと思うのは、単純に「能力が半分になった」のではないことです。

失われたのは、目的を正しく理解するための文脈でした。

本来ラプラスが倒そうとしていたのはヒトガミです。

ところが分裂後、一方には「人を殺す」という方向性が残り、もう一方には「神を倒す」「技を伝える」という目的の断片が残りました。

校正の仕事では、一つ一つの単語が正しくても、その前後が欠ければ文章全体の意味が変わってしまうことがあります。

ラプラスの分裂は、まさにそれを人物そのものへ置き換えたように見えます。

使命の言葉だけが残り、その言葉を支えていた記憶が失われたため、本来同じ方向へ進むはずだった歴史がねじれてしまった。

これが、オルステッドとラプラスの因縁を単純な敵対関係として読めない理由です。

魔神ラプラスがペルギウスの敵になった理由

分裂後の魔神ラプラスは人族を敵視し、後世に大規模な戦争であるラプラス戦役を引き起こします。

第167話「説明」では、約400年前に戦争を起こし、ペルギウスとほか二名によって封印された存在として説明されています。小説家になろう

TVアニメ公式サイトもペルギウスについて、魔神ラプラスを封印した「魔神殺しの三英雄」の一人と紹介しています。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト

したがってペルギウスから見れば、魔神ラプラスは明確な敵です。

しかし数千年前までさかのぼれば、その「敵」の元となった魔龍王ラプラスは、本来オルステッドや龍族の未来を支える側にいました。

この時間差こそ、『無職転生』の歴史を複雑にしている核心でしょう。


バーディガーディはラプラスに何をした?闘神鎧と第二次人魔大戦の真相

バーディガーディは魔大陸のビエゴヤ地方を統べる不死魔族の魔王で、魔界大帝キシリカ・キシリスの婚約者です。

TVアニメ公式サイトでも、不死魔族として高い治癒能力と戦闘力を持つこと、キシリカの婚約者であることが紹介されています。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト

大学編では豪快で親しみやすい魔王として登場します。

実際、原作Web版第77話「絶壁の婚約者 後編」では、キシリカがルーデウスについて「ラプラスより凄い」と評した魔力量の話を聞き、本人へ興味を持ったことが語られています。小説家になろう

ところが世界史に目を向けると、バーディガーディは極めて重要な人物です。

魔龍王ラプラスが魔神と技神へ分裂する原因となった戦いで、闘神鎧をまとっていた人物だからです。

バーディガーディはなぜ闘神鎧を着たのか

原作Web版第238話「二つ目」で、キシリカは約4200年前、自分とバーディガーディがヒトガミに利用されたことを明かします。

そこで語られるのが、キシリカを守るために闘神鎧をまとったバーディガーディと、魔龍王ラプラスの戦いです。小説家になろう

さらに第257話「切り札」では、バーディガーディ自身が事情を語っています。

彼は「ラプラスに殺されようとしているキシリカを助けるため」とヒトガミに騙されて鎧を身につけ、その結果ラプラスだけでなく、守ろうとしていたキシリカまで手に掛けてしまったと明かします。小説家になろう

動機は征服欲ではありません。

愛する相手を助けたいという感情でした。

だからこそ、この事件はヒトガミの危険性をよく表しています。

相手に悪意を植え付けるのではなく、その人物がもともと持っている善意や愛情へ入り込み、前提となる情報を操作して選択を誤らせる。

個人的には、ヒトガミの恐ろしさは戦闘能力以上にここにあると考えています。

闘神鎧とはどんな鎧なのか

原作Web版第168話「初任務へ」で、オルステッドは闘神鎧を魔龍王ラプラスの「最高傑作」であると同時に危険な失敗作として説明しています。

装着者へ圧倒的な力を与える一方、自我を持ち、装着者の意識を支配する性質を備えています。小説家になろう

第256話「闘神の脅威」ではさらに、時間が経つほど装着者の意識が鎧に支配され、善悪の判断を失って戦いを求めるようになることが説明されました。小説家になろう

同話では、かつてラプラスが大出力の魔力を闘神鎧へぶつけ、中にいる肉体を一時的に消滅させることで鎧と分離させたことも明かされます。

そして、その攻撃によって大陸に巨大な穴が開き、現在のリングス海になったとされています。小説家になろう

一人の誤った選択が、一人の人格を壊しただけではありません。

ラプラスを魔神と技神へ分け、その魔神が後世のラプラス戦役へつながり、さらに地形そのものまで変えている。

バーディガーディの過去は、『無職転生』では一つの選択が数千年後まで連鎖することを最も分かりやすく示す事例です。

※画像はAIによるイメージ

ペルギウスとキシリカはラプラスとどうつながる?二人の「歴史の証人」

ペルギウスとキシリカは、同じ立場の人物ではありません。

ペルギウスは主に約400年前のラプラス戦役を現在へつなぐ人物、キシリカは約4200年前の第二次人魔大戦を直接知る人物として見ると整理しやすくなります。

ペルギウスは魔神ラプラスを封印した英雄

甲龍王ペルギウス・ドーラは、空中城塞ケイオスブレイカーを拠点とし、12の使い魔を従える召喚魔法の権威です。

公式サイトでは、魔神ラプラスを封印した「魔神殺しの三英雄」の一人で、現在もラプラスの復活を監視していると紹介されています。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト

2026年8月16日放送の第3期第8話「空中城塞」から始まったケイオスブレイカー編では、小山力也さん演じるペルギウスに加え、空虚のシルヴァリル、不死魔王アトーフェラトーフェ・ライバックらが本格的に物語へ加わりました。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト

アニメだけを見れば、ペルギウスは「ラプラスを倒した英雄」という位置づけです。

しかし古代史まで読むと、事情は非常に複雑になります。

「ペルギウス」という名前を付けたのはラプラス

外伝『古龍の昔話』第11話「魔龍王」では、初代甲龍王ドーラが自らの卵に名前を付けるようラプラスへ頼みます。

そこでラプラスが考えた名前が、ペルギウスでした。小説家になろう

さらにラプラスは、将来自分が使命の途中で死亡した場合に備え、「本当の名前はペルギウスである」と誰かが本人へ伝えられるよう書き残しています。小説家になろう

これは作品史の中でも、とりわけ皮肉なつながりです。

後世のペルギウスは魔神ラプラスを封印する英雄になります。

けれども、その魔神へ分裂する以前の魔龍王ラプラスは、ペルギウスの誕生を気に掛け、名前まで用意していました。

ペルギウスが倒したラプラスと、ペルギウスの名付け親ラプラスは、元をたどれば同じ存在です。

敵と味方という二分法では説明しきれない関係が、ここにもあります。

キシリカは4200年前の事件を「記憶」として知っている

キシリカ・キシリスは、少女のような姿ながら「魔界大帝」と呼ばれる魔族です。

アニメではルーデウスへ魔眼を与えた人物として印象に残りますが、原作史では第二次人魔大戦の当事者でもあります。

第238話「二つ目」では、自ら約4200年前にヒトガミへ利用されたこと、バーディガーディがキシリカを守るため闘神鎧をまとい、魔龍王ラプラスと戦ったことを語っています。小説家になろう

ここで重要なのは「長命なキャラクター」という設定だけではありません。

ルーデウスたちにとって4200年前は歴史ですが、キシリカにとっては本人の経験です。

ペルギウスもまた、古代龍族の転生法によって現代へ来た人物であることが原作Web版第167話「説明」で明かされています。小説家になろう

『無職転生』では、歴史書にしか残らないほど昔の出来事を、その場にいた人物が現在も歩いている。

この構造のおかげで、過去は単なる設定資料ではなく、人物の感情や判断へ直接入り込んできます。


オルステッドとラプラスら5人の因縁から何が分かる?考察と今後の見方

ここまでの事実を一本につなげると、5人の関係には明確な中心があります。

それは、ヒトガミによって選択や使命がねじ曲げられた歴史です。

初代龍神からオルステッドへ、ヒトガミ打倒の使命が託される。

魔龍王ラプラスは未来のオルステッドへ力を残そうとする。

そのラプラスが、ヒトガミに利用されたバーディガーディとの戦いで分裂する。

分裂した魔神ラプラスが後世で戦争を起こし、ペルギウスが封印する。

そして第二次人魔大戦の発端に巻き込まれたキシリカが、4200年後にもその出来事を覚えている。

離れた事件に見えても、因果を追えば一つの線になります。

オルステッドが倒すラプラスは、本来オルステッドを助ける人物だった

私が5人の関係で最も重要だと考えるのは、ここです。

原作Web版第212話「喜んでいいんだ」では、ヒトガミのいる場所へ到達するために古代龍族の五つの秘宝が必要であり、それぞれ五龍将が持っていることが整理されています。小説家になろう

第256話「闘神の脅威」では、オルステッド自身が、ヒトガミの場所へ至るには五龍将をすべて殺し、秘宝を取り出さなければならないと説明しています。小説家になろう

ラプラスも五龍将の一人です。

つまりオルステッドは、ヒトガミを倒すためにラプラスの秘宝を必要とし、そのためにはラプラスを倒さなければなりません。

しかし『古龍の昔話』第23話で描かれる分裂前のラプラスは、未来のオルステッドが自分の残したすべてを用いてヒトガミと戦うことを望んでいました。小説家になろう

ここに非常に残酷なねじれがあります。

オルステッドが倒さなければならないラプラスは、本来ならオルステッドのために数千年準備していたラプラスでもある。

私はこの関係こそ、『無職転生』の長い歴史設定が単なるスケール演出ではない証拠だと考えます。

時間が長く経ったために記憶が失われ、目的が分断され、味方になるはずだった者同士が敵になってしまった。

数千年という年月そのものが、悲劇を成立させる装置になっているのです。

5人を「強さ」ではなく「失ったもの」で見る

もう一つ、人物を見る際に有効だと感じる視点があります。

それは「誰が強いか」ではなく、歴史の中で何を失ったかを見ることです。

オルステッドは第21話で、周囲から恐怖される孤独な存在として登場します。その後に200年間のループを繰り返す設定を知れば、彼が失っているのは普通の時間の流れや、同じ人生を一度だけ生きる感覚だと見えてきます。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト+1

ラプラスは魂を二分され、記憶と人格の統一を失いました。

バーディガーディは第257話の告白にある通り、キシリカを守ろうとした自らの善意をヒトガミに利用され、その選択によって守ろうとした相手まで傷つけました。小説家になろう

ペルギウスは約400年前に魔神ラプラスを封印してなお、空中城塞から復活を警戒し続けています。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト

キシリカは4200年前の事件を、伝説ではなく当事者の記憶として現在まで抱えています。小説家になろう

こうして具体的な場面へ対応させると、5人は単なる「長命で強いキャラクター」ではなく、長い歴史の結果を現在まで持ち越している生存者たちとして見えてきます。

この読み方をすると、人物の印象も少し変わります。

オルステッドの無愛想さ、バーディガーディの豪快さ、ペルギウスのラプラスへの厳しい姿勢、キシリカの奔放さ。

現在の性格だけを見るのではなく、「この人物がその態度へ至るまでに何百年、何千年あったのか」と考える余地が生まれるからです。

ルーデウスは固定された歴史へ入った「未知の一手」

そして5人の歴史を理解したうえで見ると、主人公ルーデウスの意味も変わります。

オルステッドは何度も同じ200年間を繰り返し、多くの人物と出来事を知っています。

にもかかわらず、ルーデウスだけは記憶に存在しませんでした。原作Web版第167話「説明」とアニメ第1期第21話の描写は、この点できれいにつながっています。小説家になろう+1

ルーデウス自身から見れば、異世界転生は前世の後悔を抱えた一人の人間が「今度こそ本気で生きる」ための再出発です。

しかしオルステッド側から見ると意味が違います。

何度やり直しても現れなかった人物が、繰り返されてきた歴史へ突然加わった。

私は、この二重構造が『無職転生』の「人生やり直し」という題材を一段深くしていると考えています。

ルーデウスは自分の人生をやり直す人物。

オルステッドは世界史そのものをやり直し続ける人物。

一方は「過去を反省して今を変える」物語であり、もう一方は「未来を知っているのに結果を変えられない」物語です。

そこへ未知のルーデウスが加わることで、オルステッドにとって初めて、過去のループでは計算できなかった可能性が生まれます。

「転生者だから特別」というだけではなく、繰り返される歴史に存在しなかったからこそ特別なのです。

今後は「ラプラスが敵か味方か」ではなく、どのラプラスかを見る

アニメで今後ラプラスという名前が重要になるほど、意識したいのは「ラプラス=悪」という単純化を避けることです。

魔神ラプラスは人族にとって甚大な脅威でした。

ペルギウスが復活を警戒することにも明確な理由があります。

しかしその一方で、魔龍王ラプラスはヒトガミ打倒を目指し、未来のオルステッドへ力を渡そうとしていました。

技神ラプラスもまた、その分裂によって残された別の側面です。

したがってラプラスについて考える際は、魔龍王なのか、魔神なのか、技神なのかを必ず区別することが重要です。

同じ名前なのに、記憶、目的、能力、歴史上の立場が違う。

この区別ができるだけで、『無職転生』の複雑な世界史はかなり読みやすくなります。


まとめ|オルステッドとラプラスの関係を知れば5人の歴史が一本につながる

『無職転生』のオルステッドとラプラスは、単純な宿敵ではありません。

初代龍神から続くヒトガミ打倒という使命を、異なる時代で担うはずだった存在同士です。

魔龍王ラプラスは未来のオルステッドへ力を残そうとしていましたが、約4200年前、ヒトガミに利用されたバーディガーディとの戦いで魂を分けられ、魔神と技神になりました。

魔神ラプラスはその後、約400年前のラプラス戦役でペルギウスらに封印されます。

キシリカは第二次人魔大戦の悲劇を直接経験した証人であり、バーディガーディはその歴史を動かしてしまった当事者です。

そして数千年にわたる因果の先に、オルステッドが一度も知らなかったルーデウスが現れました。

私は、『無職転生』の世界設定の魅力は、後から事実を知ることで過去の場面の意味が変わるところにあると感じています。

第21話のオルステッドは、ただ主人公を圧倒する「最強の人物」ではない。

魔神ラプラスも、生まれながらの単純な悪ではない。

バーディガーディの過去も、単なる強者同士の伝説ではありません。

現在の肩書きだけでは見えない数千年分の経緯をたどったとき、敵と味方、英雄と魔王という区分の背後に、受け継がれた使命と、失われた記憶と、誤って選ばされた選択が浮かび上がります。

それこそが、オルステッド、ラプラス、バーディガーディ、ペルギウス、キシリカの5人を一緒に理解する意味だと考えています。


よくある質問

オルステッドとラプラスは敵同士ですか?

現在の状況だけを見れば、オルステッドにはラプラスを倒さなければならない事情があります。

ただし分裂前の魔龍王ラプラスは、ヒトガミを倒す未来のオルステッドへ技術や知識を残そうとしていました。したがって本来は、同じ目的を持つ継承者同士と捉える方が正確です。原作Web版第167話「説明」と『古龍の昔話』第23話「そして新たな物語へ」で、この関係を確認できます。小説家になろう+1

魔神ラプラスと技神ラプラスは同一人物ですか?

元をたどれば、どちらも魔龍王ラプラスから分かれた存在です。

第二次人魔大戦で闘神との戦いによって魂を二つに割かれ、記憶を失った結果、人を憎悪する魔神ラプラスと、神を倒す目的や技を残した技神ラプラスへ分かれました。一次資料は原作Web版第167話「説明」です。小説家になろう

バーディガーディがラプラスと戦ったのはなぜですか?

キシリカを救うためでした。

バーディガーディはヒトガミから、キシリカがラプラスに殺されようとしていると騙され、闘神鎧をまとって魔龍王ラプラスと戦いました。その結果ラプラスは分裂し、バーディガーディ自身も守ろうとしたキシリカを傷つけることになります。原作Web版第238話「二つ目」と第257話「切り札」で具体的な経緯が示されています。小説家になろう+1

ペルギウスとラプラスにはどんな関係がありますか?

後世では、ペルギウスは魔神ラプラスを封印した三英雄の一人です。

しかし外伝『古龍の昔話』では、分裂前の魔龍王ラプラスこそが「ペルギウス」という名前を考えた人物だったことが明かされています。後世の宿敵と古代の名付け親が同じ人物につながるという、非常に複雑な因縁です。TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」公式サイト+1

執筆:篠原千鶴(アニメ愛好家・フリーランス校正者)